「感動した!」→「ほんまかいな?」と読んでみた「ラムスプリンガの情景」

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オトクにBLが読みたい!

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発売されるや否や SNSやクチコミで「感動した!」という評価を目にするようになった「ラムスプリンガの情景」

興味はあったけど まあ 電子でいっか・・・と のんびりしていたら なんか盛り上がりは大きくなる一方で・・・

「あれ・・・やばい・・・これ 出遅れてる?」ってなってきて・・・慌てて買ってみた!

でも クチコミを読み尽くしちゃってたから ある程度 話の流れはわかっちゃっているわけですよ・・・

だから 感動はしないかな?って思っていたんだよね

 

 

わはは!!甘かった!!甘かったわー・・・わたし・・・

 

 

もうさ!!

人生のやるせなさと幸せが両方詰め込まれた内容に震えましたよ・・・

どこかで「BL枠にはとどめてほしくない作品です」ってコメントをみたけど・・・そのコメントの意味もすごくわかる

突き詰めると「人生論」にまで発展しそうな深いテーマを含めているんですよ

ぶっちゃけ 夜、寝る前 頭を空っぽにしてBL読んで癒やされたいわ~って時に読むことはおすすめできません

情緒あふれるシーンが売りの洋画を1本見るくらいの気持ちで読んでいただきたい!!!と思います

では!!紹介記事にいってみたいと思います

作品紹介

ラムスプリンガ――アーミッシュが、敬虔なキリスト教徒として彼らのコミュニティに残るか、家族を捨て外の世界で生きるかを決めるための、俗世を体験する期間。 ――80年代アメリカ。 ブロードウェイの夢破れ、田舎の街でウエイターと男娼をしているオズは、ある日、バーに来たラムスプリンガ期の青年・テオを“客”と間違え部屋に連れ込んでしまう。行くあても無いテオを放っておけず、つい面倒を見てしまうオズ。アーミッシュであることを馬鹿にされても怒ることも、疑うことも知らない純粋な彼に触れるうちにオズはニューヨークで擦れていた気持ちが絆され、彼を愛するようになるが…。

「ラムスプリンガの情景」のここが面白い

住む世界の違うふたりが出会い 惹かれ合い そして・・

1980年代のアメリカの田舎町が舞台のBLです

NYでブロードウェイダンサーを目指していたオズは 夢やぶれ 田舎町にやってきてバーのウエイターとして働いています

でもバーのウエイターだけでは食べていけないのか 夜は男娼として日銭を稼いでいるんですね

この設定が すでに薄暗いんですけど オズがとても明るいキャラクターなのが救い

心にさびしさや闇を隠し持っている部分もありますが 同時にたくましさも併せ持っているんですね

そんな彼が 「アーミッシュ」の青年のテオと出会います

アーミッシュとは アメリカの開拓時代そのままの生活をしている共同体のコミュニティのことで・・・

電気やガス・電話などの文明の道具に頼らず キリスト教系の厳しい戒律を守りながら 昔ながらの手作業で毎日をつつましやかに過ごす人々たちなのです

そして このアーミッシュには10代の頃 一度だけラムスプリンガという時期を与えられます

ラムスプリンガの間だけは アーミッシュの掟にしばられないコミュニティの外の世界を謳歌できるんですね!!

テオは このラムスプリンガの間 初対面だったオズのもとに身をよせ 一緒に過ごすことになるのです

純粋で無垢・・・世の中のことを何一つ知らない子供のようなテオに オズは 音楽やタバコ、酒、そしてセックスを教えるのです

そして テオはオズの持つやさしさに惹かれ オズはテオの純真無垢な笑顔に惹かれていくのですが・・・

けど ふたりは同じ世界に生きていないんですね

テオはラムスプリンガの期間が終われば アーミッシュの皆のもとに帰らなければなりません

そこにはテオの家族がいて やさしく微笑む村人たちが待っていて 争いがない心穏やかな美しい未来がテオを待っているのです

オズは自分の父親を失っているからこそ 家族の大切さを知っています。それゆえ テオを家族から引き離すことができません

選択を迫られるふたり・・・

ふたりがだした答えは・・・・

ふたりのこのラスト・・・わたしは ハッピーエンドだと思っていますが もし この物語が続くのであれば 二人のこのときの選択が「正解」だったかどうかはわかりません

このコミックのすごさは 「ハッピーエンド」で終わった物語の結末の先を読者が考えさせられてしまうところなのです

光の裏には影がある・・・人生の儚さを同時に描いている

登場人物二人のバックボーンがなかなか複雑で コミカルな展開なマンガとはいい切れなんですけど オズもテオも きっと自分自身のことを不幸だとは思っていない

男娼として働いてたオズが 昔の客に暴力を振るわれるシーンがありますが オズ自身には全く悲壮感はありません

飄々と自分の人生を受け入れ 心に寂しさを抱えながらも人の面倒も見ることができるオズのやさしさや テオのちょっと天然でどんくさい姿に 救われる部分が多いです

そして・・・・

注目したいのが この作品 誰かが幸せな時 他の誰かが不幸を味わっているかもしれないという不条理さが描かれているところ

オズの父親がベトナム戦争で死んだ時 初の月面着陸のニュースで周囲が歓喜に満ち溢れているシーンがあったり・・・

アーミッシュであることを捨て外の世界を選んだ男の影で まだ幼い子どもが大粒の涙を流し悲しい思いをしているシーンがあったり・・・

このコミックには そういう光と影が同時に何度も出てくるんですね

自分だけの欲を通すことで 大事な人と悲しませていいのか?

こちらが幸せだと思って選んだ道の未来は 本当に幸せな結末に繋がっているのか?

主人公たち以外のキャラクターたちもとても魅力的に描かれ 彼らからもその問いかけを何度もされるのです

 

海ホタルのまとめ

オズと初めてエチをしたテオが オズとのエチにはまったりして・・・・そういうエロい部分も満足できる作品になっています

吾妻香夜先生といえば・・・「モブ山A治とモブ谷C郎の華麗なる日常」」を思い出すんですが・・・全然テイストが違いますねー!

作者様の振り幅の広さにほんま驚きますよ!!!!

1980年代のアメリカの古き良き時代がノスタルジックに描かれているのも どこか哀愁が漂う美しい描写の影に寂しさを感じれてとても胸に響くものがありました

帯に「人生を変えたたった一度の恋」って煽りが入っているんですけど まさにそういうドラマチックな恋を楽しめたと思います

紙書籍は すごく分厚いんですけど 700円+taxというとても良心的な価格となっています

電子化はいつになるんでしょうね?

多くの人に読んでほしい作品なので 早く電子化してほしいなって思います

【追記】5/28に電子化されました

 

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2 件のコメント

  • 海ホタルさん
    こんばんは(^o^)とうとうGWも終わっちゃいましたね〜
    ゴロゴロしながら、BL読書三昧、私的には最高でした♡
    私も、この「ラムスプリンガの情景」気になってました。でも、へそ曲がりなのでね、人気あるのとか、ベストセラーとかあえて避けちゃうんですよねーそして、あ〜もっと早く読んでおけば良かった!となる・・・アーミッシュって言うと、ハリソン・フォードの映画を思い出します。(ふ、古い!)私の利用しているhontoは電子化が遅いのが多いので、読むなら紙がいいのかな?
    最近読んだのでおすすめが・・・池森あゆ先生の「柴くんとシェパードさん」です。海ホタルさんは読んだかな?知らなかったんだけど、「男水!」の木内たつや先生のBL別名義なんですね〜「男水!」読んだ時これBLでよくね?って思ったから納得です。「柴くんとシェパードさん」はカップルの体格差がいいんですよね〜柴くんがかわいい!
    それと、前にアマミヤ先生の「恋だ愛だはさておいて」の薄い本おすすめしたの買われました?あれ、電子化されるみたいですよ。チッ、最近薄い本の電子化多いな!1年もたたずに電子化するのやめて欲しいわ(-_-;)でもこれ、とってもよかったので再度おすすめしておきます。

    • みかりんさんへ
      GW終わっちゃいますねー・・・「ラムスプリンガの情景」あちこちで話題になっていますもんねー。話題が話題を読んでいるって感じです
      でも あまりに評価が高いと 後回しにしちゃうって気持ちわかります。へそ曲がり?あまのじゃく?でも 読んだら読んだで「もっと早く読めばよかった!」ってなっちゃうんですけど・・・
      わたしもそういう作品 ゴロゴロありますよ!
      池森あゆ先生の「柴くんとシェパードさん」。ちら見してきたんですけど これ わたし別作品と勘違いしていました。なんか 昔読んだことのあるBLだよなーって立ち見もしていなかったんですけど・・・思っていたのと 全然別物でしたー(汗)「男水!」の先生の別名義作品なんですね!それも初めて知りましたよ!教えてくれてありがとうございます!
      読みたいリストに入れておきます。
      「恋だ愛だはさておいて」の薄い本電子化なんですねー。あれ わたし迷っているうちに買い逃しちゃったんですよ。すごく評判がよかったから電子化されちゃうってことなんですかねー?
      でも 高いお金出して買った方から見たら ちょっと複雑ですよね・・・最近、こういうの多いですよね。同人誌買う時に ちょっと「もしかして・・・」って躊躇しちゃいますよね。

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