「スクールカースト」という過激な舞台設定と容赦ないハードな描写の数々に、受け入れる人、受け入れられない人と分かれている話題作の「カーストヘヴン」の3巻が先日発売されました!!
緒川先生の大ファンだけど、この作品だけは、ハッピーエンドのラストがくるまで買うのを控えているという方もいらっしゃるようです。
ちなみに、私は、この3巻は、読んでよかった!って思いました!!ぶっちゃけ、途中で、ウルってきた!!
スクールカーストという正義も悪も歪んでしまうような世界でしか描けない緒川先生の伝えたい思いを、この3巻でようやく理解できた気分です。
では、レビューに行ってみよう!!
目次
作品紹介
あらすじ
安心安全の僕の世界。ぶっ壊してくれるのを待っていたのかもしれない。
それが救世主じゃなくても。悪魔でも。
刈野の異母兄・巽は、敷かれたレールを真っ当に歩んできた優等生。エキセントリックな男・仙崎に出会ったことによって、「優等生」の枠を逸脱し始める。
仙崎は巽に激情をぶつけ、同じように全てを投げ出した本気の愛を求めるが…。刈野×梓編、八鳥×大須賀編も収録!引用:アマゾンより
尚、詳しいゲームのルールを完全把握せずとも、楽しめるよう巧みに描かれています。
3巻の登場人物
左:攻仙崎 鴨・・・エキセントリックな性格。「打算」「協調」を疎んでいる
右:受巽 耀一郎・・・愛人であり世間知らずの母親のために優等生のふりをしている
「カーストヘヴン 3巻」のここが面白い
人は誰でも、隠しているもうひとつの顔を抱えている
世間知らずの母親は政治家の愛人で、将来有望である優等生でいなければ父親にとって存在価値がない巽
優等生を演じ続ける巽が出会ったのが、エキセントリックに自分の生きたいように生きる仙崎だった。
バッドボーイの仙崎と一緒にいるため、同じバッドボーイのカードを選ぶ巽
ふたりしてどこまでも快楽の縁に沈んでいく。
けれど、仙崎が、自分の愛を受け入れてくれる相手として、全身全霊で巽を愛しているのに、巽にとって、仙崎との関係は高校生時代の一過性の冒険でしか過ぎないの・・・
いつでも、優等生の自分に戻れるように計算をし、仙崎には気づかれないよう逃げ場所をキープしているのね。
それなのに、どんな正義も吹き飛ばすような仙崎の嵐のような愛を前に、もしかして、彼なら、優等生を演じていないありのままの自分でも愛してくれるんじゃないかと希望を感じ始めるのです。
ありのままの自分を解放し生きていくのであれば、全てを捨てて、仙崎の手を取らなければならない。
けど、ずっと優等生を演じてきたからこそ与えられた立場を捨て、自分を守るものを裏切ることができるのか?
どちらを選ぶか?追い詰められて、切羽詰まっていく巽の描写には、ひたすら圧倒されました!!
誰だって、胸の奥底にもうひとりの自分を持っているもの。そういう自分を胸の奥底に隠し巧妙に生きる巽を、ずるいなんて全くおもわない。むしろ、悲しい・・・
そして、相手の全てを奪うような愛し方しかできない仙崎を病んでいるって思う方もいると思うんだけど、自分の全てをぶつけるよな愛し方しかできない人って、自分の全てを受け止めてくれる相手に出会わないと恋愛ができないんだよね・・・。そう思うと、やっぱり寂しいよね・・・
そんなふたりが出会い、愛し合ったことにはきっと意味があると思いたい。
作者様のあとがきで、仙崎✕巽ターンは、これにて終わりですってあったけど、このふたりの先をまだ見てみたい・・・
個人的希望を言えば、この二人にはハッピーエンドを迎えてほしいです。
読む人を選ぶ激しい描写の数々にはご注意を!!
このカーストヘヴンは、1巻から、過激でハードなプレイがバンバンでてくるマンガです。ほんと、容赦なしで読者の胸をえぐる描写やシチュを投下してくるんですよねー・・・3巻も、すごかったです・・・
でも、1巻、2巻と、その痛い描写を数々超えてきたせいか、どうやら耐性ができたみたいで・・・
胸の突起物に安全ピンを刺すシーンは、心の中で「ギャーーーーー!!!」って叫びつつも、「よし。想定内だぞ」と乗り越えられました・・・笑・・・
慣れって怖いですね・・・
あ・・・でも、想定内だけなのであって、やっぱり、痛い描写は痛いよね・・・そう、痛いんですよ・・・
私同様、苦手な方は、心して読んで下さいね!!
同時収録は「狩野✕梓」「八鳥✕大須賀」です
いろんなカップルがでてくるのも楽しみの一つである「カーストヘヴン」
「狩野✕梓」も、1篇収録されてます。「狩野✕梓」はメインカップルなんですが、最近、狩野の愛がよくわからなくて、読んでて、ちょっとつらいんですけど、この作品は、いい意味に捉えていいのかな?
早く、この二人には、ハピエンになってほしいと願っています・・・え?ハピエンになるよね?
「八鳥✕大須賀」は、個人的には、ちょっと苦手なカップルです。大須賀くんの自尊心と劣等感が強すぎて、おバカでかわいいを通り越して憐れ・・・腹黒の八鳥にいいように操られちゃっています・・・
私は、ちょっと苦手なカップルだけど、このテイストが好きな人って、絶対いると思う・・・
「久世✕あゆみ」は、ちらちら出てきている程度だけど、このカップルが、唯一の清涼剤に思えたよー・・・
まとめ
スクールカーストという歪な世界をなぜ舞台に選んだのか?
この3巻を読んで、ようやく、この歪な世界だからこそ描けるテーマがあるってことがわかった気がします。
3巻読んでから、1.2巻を読み直したら、一段と、面白く思えました。
わたしは、かなり鈍感さんなので、気づきがいろいろと遅い人なのですが、この3巻を読んで、ようやく、いろんなものが見え始めた気がします。
メインカップルの「狩野✕梓」の今後も気になるとこです。
何度も言うけど、ハッピーエンドでお願いしたい!!着地点は全く見えないけど、「ああ!!よかったね!!」って思えるラストが
いつか読めることを期待しています。