野ノ宮いと先生の初商業コミック「はだしの天使」を読んでみました
わたしは無知で知らなかったのですが、すでに、一定のファン層を持ってらっしゃる先生らしくって
ビーボーイで連載が始まった当初の扉絵に「大人気絵師」という煽りが入っていました~
翼を失った天使と靴職人のお話です
どんなお話なのか?
紹介したいと思います
目次
作品紹介
舞台は現代イギリス。
靴職人のターナーは、ある日“元・天使”を名乗る不思議な青年・ベニーに出会う。
裸足のベニーを心配したターナーは、彼のために靴を作ってあげることに。
しかも制作にかかる数ヶ月間、ベニーはターナーの家で暮らすことになって…!?
「はだしの天使」のここが面白い
あらすじはこんな感じ!
「天使は人間の魂を天秤にかけて導くが、その魂には触れてはいけない」
その掟を破った天使は翼を奪われ、天界を永久追放されてしまう
下界に降りた天使は、人間界のルールがわからずベンチにじっと座っているしかなかったのですが
そんな彼を見た靴職人のターナーが声をかけてくる
自分は元天使だと言う綺麗な男を目の前にし、「新手の詐欺か?不思議ちゃんか?」と疑うターナー
だけど、靴もはかず薄着の彼を置き去りにして帰ることができず、家へ招きいれるのです
自分のことを「元天使」だと言い張る男
嘘をついているようには見えないが、信じることもできない
そして、「帰る家がないから旅でもしようと思う」と浮世離れしたことまで言い出す
悩むターナーは、彼に「旅に出るなら靴を作らせてくれ」と提案するのです
ターナーは、食べるのも忘れて靴づくりをするほど、靴を作るのが好きな男で、靴を履いたことがないという彼に、靴を作れると言うだけでウキウキ
こうして、元天使と靴職人の期間限定の同居が始まるのですが・・・
静かに変わっていく二人の関係にじわりとくる
名前がないという元天使に、「ベンジャミン」という名前を与えるターナー
フォークの使い方から電化製品の使い方まで・・・ベンジャミンに、ひとつひとつ根気よく教えていく
そして、ベンジャミンを見たターナーの姉がベンジャミンをモデルにスカウトしたりして、穏やかな日々が過ぎていく
自分のことを「元天使」だと言い張るベンジャミンのことを、「胡散臭い」と思っていたターナーだけど、ふわふわした彼と一緒に過ごす日々の中で、いつしか、「彼は元天使なのかも」と思い始める
私が思うに・・・目の前の男が「元天使かも・・・」なんて破天荒な事実を「本当かも・・・」と思い出すのが、この作品のキモで!
世間の常識や、自分が持っている常識よりも、目の前にいるベンジャミンを信じ始めるターナーの気持ちが、日常生活を通して丁寧に描かれているのがこの作品のすごさ!
そういう気持ちの変化が、日々のふたりの些細な会話の中で読者に伝わってくるのが面白かった!
大きな事件やイベントはありませんが、変わっていくふたりの関係性に心がじわじわとくる作品です
ターナーが、ベンジャミンの靴を仕上げたら、ベンジャミンが旅に出ると言うリミットを設けたのもよかったと思います
この生活に終わりがあるからこそ、こみあげる焦りのようなものが巧みに描かれてしました
ふたりの心情変化に注目してほしい作品!
エロターンはこんな感じ
もしかして、エロターンはないんじゃないか?と思っていたのですが・・・
エロターンあります
元天使のベンジャミンが、ターナーに「セックスしたい!」と言われて、天界で学んだ「おしべとめしべ・・・」という授業を思い出すベンジャミンがむちゃくちゃかわいい!
純真無垢・・・人間の汚い欲望など知らないベンジャミンが、ターナーに下腹部を刺激されて、怖くなるって展開にもなんともゾクゾクします
ふたりが初めてつながるシーンも、なかなかいいのですが
でも、個人的に好きなのは、旅から戻ってきたベンジャミンとターナーが一緒に横になって寝るシーンかな?
ここ、エロい展開は全くないんですヨ
ただ、横になってターナーがベンジャミンの髪を触り、会話をしているだけなのですが・・・
なんかすごい幸せだなって思った!
エロシーン本番よりも、横になって眠る姿の方が、ふたりの気持ちが重なった気がするのは、人気の絵師さんだからこその巧みさなのでしょうか?
海ホタルの感想
エロ重視ではなく、気持ち重視の作品だと思います
欲望まみれの漫画ばかり読んでいる身には、心洗われるような気分になりました
あと・・・人気の絵師さんということで・・・画がとっても上手!
派手さがあるわけじゃない・・・背景がまったくないよ?って見開きページも、時々あるのですが・・・
なんか心に残る印象がある
心の内面が出ているのかな?
一緒に暮らすことで育まれるふたりの関係性に注目してほしい作品
ぜひ!心染み入る作品が読みたいときに読んでほしい!