読み終わった後、「うわー!!すっごい読み応えがあったわー!!」と思った玉川しぇんな先生の新刊「善次くんをお借りします」
ページ数を見ると200ページ超え!!
やっぱなー・・・200ページを超えると、「面白かったわー!!」って満足度が高くなるよなー
玉川しぇんな先生の新刊は、高校生青春ものです
スポーツしてます
とっても甘酸っぱいです
それでいて、下半身が素直なお年頃のふたりがわかりやすく惹かれ合っていく様子がすっごくよかったです
高校生BLが好きなわたしはとってもキュンキュンできました
目次
作品紹介
両親を亡くし、野球好きの祖父と二人暮らしの高校生・善次は、顔を見ただけでその人の不調部位がわかるという特技を持っている。貧弱で女っぽいことにコンプレックスを抱えていた。そんな善次の密かな日課は、同じクラスの前の席の野球部のヒーローで、クラスで少し浮いている花岡の授業中の居眠り姿を見守ること。逞しい花岡は、善次のなりたい姿そのものだったのだ。ある夜、祖父と喧嘩をし家を飛び出した善次は、大泣きしているところを花岡に見られ、思わぬ接点が出来て!? 憧れと恋が複雑に絡み合う、甘酸っぱい青春ストーリー!
「善次くんお借りします」のここが面白い
劣等感・憧れ・なりたかったもの・なれなかったもの・・・10代ならではの思いの複雑さに注目したい
柔らかそうな髪にメガネ。ちょっとひょろっとした背格好のこの漫画の主人公の善次は、鍼灸院をしている祖父と二人暮らしをしている
善次の父親は甲子園に出場できるほど がっしりとしたたくましい人だったが、すでに他界
善次の背格好は父親ではなく母親の方に似てしまった
一緒に暮らしている祖父は、野球が大好きで、父が自慢の息子だったようで・・・
夜になると父の写真を飾っている和室にひとり座り、野球ボールを見つめている
そんな祖父の姿を見て、善次は野球をするのに相応しくない自分のひょろっとした体にコンプレックスを持つようになるんです
そして、高校生になり、甲子園に行くことも夢じゃないといわれる立派な体格の「花岡」と出会うわけです
花岡のがっしりした背格好は、善次の亡くなった父によく似ているようで、祖父は、花岡の活躍をスクラップするほど大ファンになってしまった
自分がなりたかった祖父の夢を叶えられる場所にいる花岡に抱く劣等感…
そして、その花岡とクラスが一緒になり、席が前後になった善次
でも、この善次、すごく根っこの部分がやさしい子のようで、花岡に対して大きな劣等感を持っていることをおくびにも見せず、周りのクラスメイトから浮いている花岡に毎日、笑って挨拶をするんです
自分の容姿にコンプレックスを持つ善次と、そのコンプレックスを刺激しちゃう花岡の恋は、高校生らしくゆっくり進んでいって・・・
それでいて、お互い、下半身は素直だという・・・ニヤリ・・・
ほんと、読んでいてキュンキュンする流れとなっている作品なんです
誰もが憧れる完璧超人の生徒会長・大和御門は、入学式で新入生・根崎春の笑いを見て以来、無口で地味な根崎の事が気になって仕方がない。
長い前髪で顔を隠し、自分になびかない根崎にしびれを切らした御門は、ある日うっかり根崎の前髪を切ってしまうが――?!
スーパー攻め様(仮)のモーレツ初恋グラフィティ!!!
攻めの花岡が、単純なのが救い
野球が強いことで、周りからヒーローみたいに扱われていた花岡
けれど、目立てば目立つほど、花岡の中には「ちやほやされるために野球をやってきたわけじゃない」という思いが生まれ、マスコミとも喧嘩をしちゃって、クラスメイト達とも距離を置くようになってしまいます
そんな花岡に、毎日、笑いかけてあいさつをしてくれる善次に、花岡が惹かれていくのには説得力がありました
マッサージが上手い善次にマッサージをされるだけで、神経がつながっている指先だけでなく、自分のイチモツまで刺激されちゃうことをチームメイトに相談しちゃうシーンは、ほんと、ニヤニヤできます
あと、「このシーンが好きだ!!」って思ったのが、善次の持つコンプレックスに気づいた花岡が、チームメイトに愚痴を吐くシーンがあるんですけど、そこで「善次と結婚したい」って発言をしたところにキュンってきた
いやー!!ほんと、若いっていいなー!!
善次が、ぐるぐる悩んでいるのに対し、攻めの花岡は、けっこう単純というか・・・自分にも相手にも嘘偽りがないタイプで、そこが、すごく救われました
好きな子を、なんのためらいもなく追いかけられる素直さが高校生らしいというか・・・
好きな子に一生懸命ってところが、爽やかな感じでとってもよかったです
一緒にいると楽しい、自然とそうなったある日、2人の関係を一変する出来事が・・・。
落ち着かない気持ちの中、千晴が夏休みを使って聖地巡礼しようと持ちかけてきて・・・
人を好きになる、ということ。それはどうしようもない、ということ。男子高校生2人が紡ぐ、眩しくて愛しい青春劇。
ラストの盛り上がりもとてもよかった!
善次は、もともと花岡に対して大きな劣等感を持っているんですが、素の花岡を知ったことで、それが恋に変わっていきます
でも、善次は「ひょろっとした女みたいな自分」がきらいなわけです
だから、花岡を好きになってしまったことで、その「劣等感」が大きくなってしまうのです
「俺はほんとは花岡になりたかった」と善次が花岡に告白するシーン
ポロポロ泣いちゃう善次の顔が情けなくて・・・かわいくて・・・ほんとグッときます
「女みたいな自分」がきらいだけど、花岡のことを好きだと自分で受け入れるラストの山場シーンは、なかなか見ごたえがありました
まとめ
すごく、絵がいいんですよね
ほのぼのした、やさしいタッチが、主人公の善次のイメージにすごくマッチしています
劣等感を抱えつつも、それを出さず、花岡に笑顔で挨拶をし続けた善次はすごくいい子だと思う
善次のコンプレックスの元凶はおじいちゃんなんだけど・・・・
この、おじいちゃん、あまり悪気がなくて、おじいちゃんなりに孫の善次をすごくかわいがっているんですよね
だから、このおじいちゃんも憎めない・・・むしろ、かわいい!!
ぜひ、花岡にはメジャーを目指してほしいなって思います
そして、善次には花岡の専属マッサージ師になってほしいですね
そんなふたりの将来も妄想できるとってもすてきな作品でした。
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