ひなこ先生の「BlueLust」の3巻が先月の10/21に発売され、無事、完結しました!!
もう!!ほんとよかった!!
「ほんま、よかったね」って二人揃って抱きしめてあげたい!!
とても、真面目な作品です。読み応えもあると思います。
そういうわけで、本日は、まだ未読の方のために「BlueLust」の面白さをまとめちゃいます
いじめと恋と贖罪と・・・あらゆる切なさが盛り込まれた作品
「僕らはどうして過ちを繰り返すのだろう・・・」
明るく誰とでも友だちになれる隼人
そんな隼人が、無口で周りと馴染もうとしない転校生の奏真と出会う
「なんかほっとけない」とクラスで浮いている奏真に積極的に話しかける隼人に、周りの友人は「隼人は良い奴だ」と賞賛するけど、実はそうじゃない
隼人は、中学生の頃、親友に告白された過去があり、その気持ちをひとりで受け止めきれず、親友を飛び降りさせるほど追い込んだ過去があるのだ
だから、なにかを抱えているやつがいたら、放っておけないのは、やさしさからではなく、過去への贖罪だった
暗い顔をしていた奏真が笑うと、過去の自分の過ちが許される気さえもしたが、実は奏真は、前の学校で、ゲイだとバレたことで居場所をなくし、転校してきたのだった
奏真は、自分に一生懸命やさしくしてくれる隼人のことを好きになってしまう
隼人は、奏真の気持ちを受け取れないにしろ、なるべく寄り添うように務めるが、「好き」って気持ちを恐る恐るぶつけてくる奏真にいつしか淡い思いを抱くようになってしまう
そうなると、今度は自分の過去の過ちを奏真に隠しておくのがつらくなる・・・
秘密を抱えたまま、見た目はやさしげなのに芯の強さがある奏真に惹かれていく隼人
だが、隼人が中学生時代に自殺未遂に追い込んだ昇と奏真が友達であることが判明し・・・
それをきっかけに、隼人は奏真に、自分の過去の過ちを告白する
奏真のショックは大きかったようで、隼人に「俺たち、何もなかったよね」という答えを返すのだ
両思いのはずなのに、過去の過ちがふたりを結びつけるのを邪魔をする
奏真は、あんなに好きだった隼人からもらえた告白もつらく、「過去のトラウマからの思い込み」「自分と出会わなければ男相手に告白することもなかっただろう」と思い、隼人とは別の自分と同じ性癖の相手を探そうとする・・・
捨てたいのに捨てられない気持ちから逃げる奏真と、過去の過ちから同じ失敗をしたくないと追いかける隼人
すれ違う気持ちは時に臆病になり、時に、前向きになり、揺れ動き続けて、このまま友達でいるか、それとも、一歩踏み出し恋人同士になるかの分岐点で立ち止まり続けて・・・
恋するゆえの身勝手さ、捨てられない気持ち、迷うふたりの姿は、読んでいてほんとにハラハラする
つらく切ない揺れ動く気持ちをモノローグ、表情でひとつひとつ丁寧に描いているのが、ほんとにすごい作品なんです
過去があるから今があり、過去があるから未来を間違えない
幼さゆえに自分の親友を飛び降りさせるほど追い込んだ隼人
それは「まだ中学生だし、幼いかったから仕方ないね」で許されることではない。
隼人は、その時つけた傷を一生背負わなければならない
そして、苦しむ隼人の姿に、彼には、「誰かを傷つけたからこそ、誰かを幸せにしてほしい」って思える作品でした
同性愛には未だ偏見もあるし、心無い言葉で傷つけられることもあるかもしれないけど、「一緒に乗り越えて、ふたりで笑っていよう」という隼人のセリフがこの作品のすべてだとおもう
相手の罪も弱さも駄目なところもすべて受け入れて、一緒に、笑ってすごそう。
そんなふたりに出会える、ほんとにすばらしいBLコミックです。
※現在、電子配信は2巻までです。3巻が電子配信され次第、ご報告します※
コメントはこちらから