前作の「美しい彼」からおよそ二年もの間を開けて去年発売されたのが、こちらの「憎らしい彼」です。
もうね・・・読んでて、こんなに融通がきかないとんでもない相手のことを好きになっちゃった清居に同情した!!笑!!
しかも、かっこいいなら許せるけど、相手は、自分の半ストーカー状態のウザさを持つオトコなんですよ!!
芸能人になれるほどのイケメン清居を振り回すキモい攻めの姿がひたすら楽しめる1冊なんですよー!!
私なりのあらすじ紹介!
前作の「美しい彼」で、カリスマ性にあふれた芸能人である清居の恋人のなれたこの上なくネガ思考の平良。
平良の冴えない人生に、清居という光り輝く存在が降りてきてんだけど、いつ神様が采配ミスだったと清居との別れを用意するかわからない。そうならないよう、人と関わるのが苦手なのに、カメラマンのアシスタントとしてバイトをしだす平良。
その一方で、清居はどこまでもネガ思考で自分のことを神のように敬う対象としか見ない恋人の平良にイライラしだすの。でも、清居が困れば、家だって用意する平良は、この上なく頼りになる部分も同時に持ち合わせていていることもわかっていて・・・
頼りなる一面を持つ平良を皆に自慢したい気持ちと、自分がほしい愛情の形を示してくれないことに対する歯がゆさで揺れる清居。
そんな清居は所属する芸能事務所の尊敬する女性タレントが起こしたスキャンダルトラブルに巻き込まれてしまう。
自分がトラブルに巻き込まれて初めてわかる恋人の愛の重さ・・・
イケメンでオレ様な清居が、自分の理想とは違うけど、自分のことを誰よりも愛してくれる恋人のことをどう受け入れていくのかを楽しめる1冊となっています。
ヘタレ、頑固
俺様、ツンデレ
「憎らしい彼」のここが面白い!!
平良は、清居のことが好きで好きで堪らないんだけど、それは世間一般でいう恋人という対等なポジションかほしいからじゃないんだよね。
清居の側にいて、彼を守るために一緒にいたい
一緒にいるためなら、ネガティブでヘタレだけど、自分が持つ力以上のがんばりと踏ん張りを見せてくれる平良。しかし、身体を重ねる関係になっても、対等とは程遠い関係で・・・
憧れの対象と身体を重ねられる関係になっただけで神に感謝する平良の謙虚さには頭が下がる。でも、そんな平良に対等な恋人になってほしい清居の気持ちもわかるんだよね。
攻めも受けも好きだから、読んでいるどっちの味方になっていいかわからなくなってくる。
登場人物ふたりともに感情移入ができるって本、なかなかないと思うんです。それが、面白いんですよね!!
最後にまとめ
この巻では、1巻にあたる「美しい彼」とは違いひたすら受けである清居が揺れ動いています。平良自身は、本当に、何も変わりません。
作者様のあとがきにはこうあります
人は相手を理解しないまま、どこまで恋愛感情を深めていけるのでしょう
引用:「憎らしい彼 作者様あとがきより
まさにこの物語の主人公ふたりのことですよね・・・相手が理解できないままでに、深まる愛を楽しめる一冊とも言えるかな!
自分の理解の範疇を超えている相手で、自分にとっての理想の恋人じゃなくても、好きになっちゃう清居の揺れる心がとても読み応えがありました!