こんにちは!海ホタルです
世間様がヨネダコウ先生の『囀る鳥は羽ばたかない 5巻』の発売を目前に、ザワザワ浮き足だっています
んで、ミーハーなわたしは、この盛り上がりに参加したくて、最近、4巻までを一気に読みました
実は、『囀る鳥は羽ばたかない』は、今まで、おすすめしてくれた読者様が多数いました
でもね・・・1巻が、ほんと、人間関係が複雑で・・・衝撃も強くってハッピーエンドが想像できない出だしなんですよ~・・・
しかし、そこを乗り越えられず、今まで読んでいなかった私は、大ばかものです!!
今は、おすすめてしくれた読者様のみなさんに土下座したい気持ちでいっぱいです。(ごめんなさい・・・)
そういうわけで、今日の記事は、私同様、未だ『囀る鳥は羽ばたかない』を手にとっていない方が、思わず手に取りたくなる記事を書かせていただこうと思います
対極した場所にいる「攻」と「受」に注目
『囀る鳥は羽ばたかない』のあらすじに必ず出る主人公矢代のキーワード「ドMで変態、淫乱」
もう、そのキーワードにさらに「不幸」という名前のスパイスをかけたかのような1巻
母親の再婚相手に犯され続けた幼少時代
そこで、ドMの性癖が開花され、初めて自分の心を揺れ動かされた相手からは、「お前はひとりだ」という自分の存在価値を決定づける言葉をもらい、行き着いた先はヤクザ社会
どこにも救いがない・・・
でもね、このマンガの主人公矢代は、悲壮感が全く無いんですよ・・・
痛々しく思える幼少時代につけた心の傷さえも、受け入れ、時にユーモアを交えて自分の“生”を生きている
他人とつながりに執着せず、生きていく彼の姿は、ある意味潔くカッコイイ
そして、その矢代の心を揺さぶる相手が現れるのです
それが、元警官の百目鬼(どうめき)
彼が矢代の組にやってきた日、最初のインスピレーションで「本当なら自分の部下は相手にしないが」と矢代からブツをしゃぶってもらう百目鬼
でも、百目鬼は、矢代の欲を満たせない
なぜなら、百目鬼は、自分の父親が義妹を犯したことから勃たない体となってしまったから・・・
この百目鬼も心に傷を持つ男だったのです
しかし、この百目鬼は、矢代の肉欲の相手にならずとも、心酔しており忠犬ハチ公なみに矢代の側にいる
無愛想で感情がわかりにくい百目鬼から見た矢代は本当に美しい
ヨネダコウ先生が、このマンガの連載にあたり、「あ、淫乱の『受』だから『攻』はインポだ……!」と思い連載をスタートさせたというエピソードはすごく有名な話なんだけど・・・
対極した位置にいるふたりが、ジレジレと近づいていく流れが、視線、仕草、表情で、ほんとに切々と描かれているんです
対極したふたりが本当につながる日がくるのか!?と、読んでいて、本当に、ハラハラするんです
痛みの中に、ホッとできる一コマがあるのが読みやすい
ヤクザ世界を描いているので、この作品では、抗争や裏切り、嫉妬と欲が渦巻いているんですけど、そこまで重くない
容赦ない暴力シーンはあるにはあるが、同時に、なんでも暴力で解決しようとする彼らの姿は「弱い犬ほどよく吠えるってこういうこと?」って思えるし、強いものに巻かれる滑稽さなども描かれている
自分の持っている力以上のものを誇示したがる、このかっこつけの精神はどこから生まれるのか?って考えると、これは、ヤクザ社会が男だけの社会だからなんだよね
自分より圧倒的力を持つ男を心酔する姿は、ある意味、無自覚ホモの集団・・・
嫉妬で気に入らない相手を蹴落とす姿は、女の嫉妬より恐ろしい・・・
痛みだけじゃなく、男だらけのヤクザ社会の滑稽さも描いているのが女性が読んでも嫌悪感が少ない理由のひとつだと思います
痛みのシーンの後に、ちょっと笑えるセリフがあったり、色気のあるシーンが必ず投入されるのがいいですよね
脇を固める登場人物の魅力
主人公の矢代は、目が離せないオーラでも出ているのか、彼を取り巻く登場人物は、みな、矢代に何かしら特別な感情を抱いている
矢代をヤクザ社会に引っ張ってきた三角
矢代を殺す命令をもらいながらも殺すことができなかった竜崎
矢代と高校生時代からの腐れ縁の影山
みんな矢代の魅力から目が離せない!!みんな無自覚片思い!!笑!!
それぞれの登場人物が、バックボーンも含めて、きちんと描かれているから、ものすごく感情が入り込める
たぶん、読んだら、必ずひとりは、共感する登場人物がいるんじゃないかな・・・
キーワードは“矛盾”
1巻から、ひたすら出てくる“矛盾”という二文字
人間は矛盾でできている 寂しい… 寂しくない… 恋しい… 恋しくない…(1巻より)
あの人を守りたい 大事にしたい なのに 汚したい(3巻より)
人は、皆、ココロの中に矛盾を抱えているけど、でも、それを誰かに見せることは決してない
この漫画は、そういう人間の中にある“矛盾”の感情を上手く描いているんだよね
相反する感情をひとつの体にもち続けることは、本当に苦しい
そして、その苦しみに耐える主人公ふたりの姿は、ほんとうに美しい・・・
「ドMで変態、淫乱」の受けは肉欲にまみれているが、根底にあるのは、ピュアな純愛
シリアスな流れの中に、笑える流れもあり、ハラハラしながらも、キュンが楽しめるコミックとなっています
私同様、まだ読んでいないって方がいたら、5巻の発売を機に、ぜひ、読んでほしいな!!
1巻は読んだんだけどその後読んでないんです。ヤクザの世界で内容が重いから読む前から構えてしまって。
ハッピーエンドで終わったら、それを楽しみにして読もうと思います。
sayurinさんへ
わたしも数年前に1巻読んで、完結まで読まないでおこうって思っていたんですけど、読んじゃいました・・・
読んだら読んだで、世間様の高評価に納得しちゃいました・・・でも、最後は、どうなるかわからないですね・・・
無事、ハピエンで終わって、ぜひ、sayurinにも読んもらえる日がくるといいなって思います
文中、百目鬼のフリガナが「どうきめ」になっています…。
ニコさんへ
これは失礼しましましたー!訂正しておきました。
教えてくれてありがとうございました!!