こんにちは!海ホタルです。
吸い込まれそうなほど美しいブルーの表紙に、印象的な笑顔を浮かべた少年――。このビジュアルに惹かれて「ちるちる」さんの紹介記事を読んだとき、正直「え?これってBLなの?」と驚きました。
そして実際に読んでみた結果…。第1巻を読み終えた段階では、「BLとも友情とも受け取れる、どちらとも言い切れない不思議な関係性」が印象的でした。Renta! やコミックシーモアでは「女性マンガ」として分類されていますが(2022年3月8日時点)、そのジャンルの枠を軽やかに飛び越える、新感覚の一作だと感じました。
2022年3月4日に発売されたばかりにもかかわらず、早くも重版が決定しているという話題作。先の読めない、ゾクッとするような展開が好きな方には、きっと刺さるはずです。
この記事では、物語のあらすじを紹介した後に、私自身の感想をたっぷり語っています。記事の最後には、オカルトやホラー要素のあるおすすめBL作品もご紹介しているので、ぜひ最後までお楽しみください!
作品紹介
ある集落で暮らす少年、よしきと光。同い年の2人はずっと一緒に育ってきた。しかしある日、よしきが光だと思っていたものは別のナニカにすり替わっていたことに確信を持ってしまう。それでも、一緒にいたい。友人の姿をしたナニカとの、いつも通りの日々が始まる。時を同じくして、集落では様々な事件が起こっていき――。
『光が死んだ夏 1巻』のここが面白い
大切な親友が「ナニカ」に入れ替わっていた…戦慄のホラー展開!
伝承や迷信が色濃く残る、どこか閉鎖的な村で育ったよしきと光。幼い頃からずっと一緒で、同じ高校に通う二人の絆は、誰よりも深いはずでした。
しかし、ある日山へ遊びに行ったきり行方不明になった光が、無事に戻ってきたとき、よしきは気づいてしまうんです。光と同じ姿、同じ声なのに、それは「光じゃない、別のナニカ」だと!
親ですら気づかない光の変化に、よしきだけが確信を持って問い質すと、光の姿をした「ナニカ」は、あっさりと光の身体を乗っ取ったことを認めます。



うわー・・・なにこれ~
こわいよー!ホラーだよー!!!
光の身体を乗っ取った「ナニカ」は、「初めてヒトとして生きて、学校も友達も楽しいから、誰にも言わないで…」と、泣いてよしきに懇願します。よしきは、もし本物の光がこの世にもういないのなら、偽物だとしても光がそばにいてほしいと願い、その秘密を守ることにするのですが…。
しかし、その「ナニカ」が町に出てきたことで、不気味な事件が次々と起こり始めます。身の回りに起こる不審な出来事に、このまま光のふりをした「ナニカ」を放っておいていいのか、よしきの心に迷いが生じます。けれど、よしきの中にある光との思い出の数々が、彼の決断を惑わせる…。そして、「ナニカ」はよしきの迷いに気づき始めていて――。
なにかが起こる予感を描くのがうますぎて、ページをめくる手が止まらん
この作品、なにかが起こる予感を描くのが本当に上手すぎるんです! ページをめくる手が止まりません。モクモクれん先生の画のタッチは迫力があり、描写の一つ一つに見入ってしまいます。表現力が尋常じゃないんです! 「シャワシャワシャワシャワ…」とセミの鳴き声が響くだけの描写が、ここまで不気味に見えるなんて…。
光の体から、得体の知れないウニョーっとしたものが飛び出したり、時には身体がパカッと割れたり…その存在そのものが、とにかく怖い。
でも、同時に「ナニカ」は光の記憶を持っているから、光同様に愛嬌があって、変顔をしてよしきを笑わせようとしたりもするんです。正直、人間としての生活を楽しもうとする「ナニカ」は、決して悪者には見えません。
「ナニカ」は悪者なのか?そうじゃないのか?退治すべき存在なのか?そもそも退治ができるのか?…読めば読むほど、まったく予想がつかない展開に引き込まれます! まさに「なにが起こるかわからない怖さ」が詰め込まれた、極上のホラー作品です。



これはBL?それとも友情?謎が深まる二人の関係性!
BLとして認識しながら読むと、光の裸を見て照れるよしき、服がめくれた間から見える光の肌を見るよしき…確かに、よしきは光に対して恋愛的な意味で惹かれているように見えます。
しかし、BLという認識を持たずに読めば、これはむしろ熱くて深い「友情」にも見えるんです! 口コミを読んでいても、二人の関係を「友情」と認識している方が多数いることから、おそらく「万人向けの淡いBL」という括りになるのでしょうか。
これはもう、2巻の発売を待つしかないですね…!



海ホタルの感想まとめ
本当に面白かったです! 表紙からは想像もつかなかった内容に、良い意味で裏切られました。
続きが気になって仕方ないと思っていたら、pixivコミックの方でも読めるみたいなので、ぜひチェックしてみてくださいね!
続きが気になって仕方ないと思っていたら、pixivコミックの方でも読めるみたい
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ゾクッとしたホラー要素があるBLが読みたいなら!こちらがおすすめ!
『光が死んだ夏』を読んで、背筋がゾクッとするようなホラー要素のあるBLに興味を持ったあなたに、海ホタルが自信を持っておすすめする作品をご紹介します!



『光が死んだ夏』の中で、よしきが光の体内に手を突っ込むシーンを見たとき、この**『さんかく窓の外側は夜』**を読んだ時の、あのヒンヤリとした感覚を思い出しました。得体の知れないものに触れるって、えも言われぬ感覚が背中を駆け抜けますよね…。私自身はこの感覚が少し苦手なのですが(笑)、このゾクゾク感が好きな方は多いのではないでしょうか!



後継争いの末、当主となった弟の婚礼。厚いベールで隠された花嫁の顔は、死んだはずの異母兄の顔をしていた――!? 美麗な中華風の世界観で繰り広げられる、義兄弟の微エロオカルトBL!
表紙を見ればわかりますが、世界観は中華もの。後継者争いの末、兄を殺し、当主となった弟。だが、弟の花嫁の顔は兄とそっくりで…というオカルトBLです。読み始めた当初は、あまりの謎さに「わけがわからず迷子状態!」になりました。しかし、読み進めるごとに、張り巡らされた謎が少しずつ紐解かれていくのが本当に面白かった作品です! えも言われぬ感覚が楽しめますよ。