緒川千世先生の「赤のテアトル」の電子配信が始まっています!!紙書籍が4/25に出ているので、既にもう、読んだって人の方が多いかな?
すごく淫靡で背徳的でありながら、主人公のユーリの一途な情熱と献身愛から目が離せない魅力溢れる作品です。同時に、そんな彼が破滅に向かっていくストーリー性に圧倒される作品ですよー!
読み応えはバッチリ!!緒川先生の才能にクラクラしちゃう作品だよ!!
目次
作品紹介
登場人物&あらすじ
「攻」アダム:野心あるゴーストデザイナーの靴職人
「受」ユーリ・アバルキン:アダムのために、社長兼デザイナー&広告塔として働く
パリのファッション界で、一躍名を馳せた女性靴ブランド・アバルキン。その急成長の裏には、秘密があった。
それは淫らな肢体とむせ返るような色香で業界人を惑わす、美しき青年社長・ユーリの枕営業…。
そんな娼婦まがいのことを夜ごと繰り返すのも、すべては愛しい側近のゴーストデザイナー・アダムの夢を叶えるため。
彼を繋ぎとめられるなら、たとえ利用されていても構わないと気丈に身体を差し出すユーリだったが―――。独占欲に葛藤するゴーストデザイナーと歪んだ愛を捧げる健気なミューズのめくるめく逆転主従ロマンス・ストーリー。
引用:アマゾンより
「赤のテアトル」のここが面白い
美しい主人公の献身愛はどんなに汚れても美しい
表紙を飾る美しい主人公ユーリ。女性靴ブランド「アバルキン」の後継者で、母がゴーストデザイナーとして雇っていたアダムを母の死後引き止めるため、自ら、社長兼広告塔となり枕営業をしブランドを大きくするため身を削るのね。
それもこれも、愛するアダムを自分の側に引き止めるため・・・ハイヒールを履き続けた足は、アダムの介添がないと歩けないほど変形し、歩く度に痛みが走るという痛々しさ・・・
同時に、ブランドの支援者や顧客を増やすため、愛するアダムの斡旋で、夜は枕営業を繰り広げる姿には悲しさと背徳感がつきまといます。
華やかなブランドイメージの裏で、アダムへ注ぐ清々しい美しい献身愛と、見返りのない愛に黒く心が苛まれていくストーリー性にはゾクリとするものがあります。
ブランドの広告塔として使い物にならないとアダムに判断されたことで、一度もユーリを抱こうとしないアダムにクスリを盛って無理やりにでも体を繋げようとするシーンは、ほんと、やばい。与えるだけの愛の限界の果てって、きっとこんな感じなんだと思った。そして、アダムと体を繋げた後の、憑き物が落ちたような幸せそうな子供のような笑顔がこれまた愛しいんですよね。
攻めのアダムは好き嫌い分かれそう
ピンヒールの美しさに魅せられ、ユーリの母であるアバルキンの創始者と出会い、ゴーストデザイナーとして働くアダム
彼にとって、ピンヒールは美しさの象徴であり、自分のデザインしたピンヒールを履きこなすミューズがいることが大事なのね。だから、彼はユーリのことが好きなわけではなく、自分のデザインした靴を履きこなす象徴としてユーリのことが好きなの。
だから、ユーリが自分のために枕営業しているのも平気な顔で見ているのよ!!
ムッキー!!なんだこいつ!!
「こんな攻めいやだ・・・」って思った。
でもユーリの魅力を一番側に見ているのは、このアダムなんだよね。自分の野心の為に身を犠牲にしてくれ、誰もが虜になる美しさを持つユーリの側にいてて、その魅力に靡かないわけがない。
常に、アバルキンを大きく成長させるためにユーリを一線を超えるべきじゃないと自分で自分にセーブをかけている姿は、悩ましいです。
ついにユーリと一線を超えてしまい、今までの思いをぶつけるように体を繋ぐシーンはかなり見ごたえがありますよー!!
最後にまとめ
野心の先にある破滅に向かっていくふたりの愛にハラハラさせられるBLコミックです。最後は、意外にも、ほのぼのとハピエン!!華やかな世界から遠い場所でありのままの姿で寄り添うふたりの姿には、ほんとにジーンとします。
痛みを乗り越えたからこそ感じられる深い愛に満ちたハッピーエンドだと思いました。エロも素晴らしかった!!こう、ゾワってするほど美しいアングルもあって、緒川先生の力量のすごさを改めて実感できる作品でした。
ユーリの叔父のミハイルの短編も収録されています、これは、オジサン(50)✕オジサン(52)がお好きな方にはたまらん作品だと思います。因縁エチ。スーツにピンヒール。エロス。萌える人は、むっちゃ好きそう!
めくるめく逆転主従ロマンスも面白いね!!緒川先生は、6/9に「カーストヘヴン 3」の発売が決定しています。こちらも楽しみですね!!