こんにちは!海ホタルです
大島かもめ先生の「チキンハートセレナーデ」が紙書籍と同時電子配信です
わたし・・・大島かもめ先生の絵が好きなので即買いです☆
今回の大島かもめ先生の新作はゲイなのに結婚しなけりゃいけない攻めと、明るい見た目から反して、育った家庭環境から孤独を抱えた受けとのセフレから始まるラブです
いやいや・・・
大島かもめ先生らしい巧みな内面心情の描き方に感心しながら、一気に最後まで読んじゃいました
作品紹介
セフレとして気軽な付き合いをしていた倉橋と松根。ある日、倉橋が勤める呉服店にお得意様と一緒に松根が訪ねてくる。普段、倉橋に見せる顔とは全く違う愛想のいい松根をからかっていたが、お得意様が彼のお見合い相手だと知る。その後も松根と関係を続ける倉橋だったけど――…?
気軽なセフレだったはずなのに・・・お互いを知り合っていく中で育つ恋
倉橋(受け)と松根(攻め)は呼び名しか知らないセフレ関係
気軽なセフレ関係を続けていたふたりだが、ある日、倉橋が働く呉服屋にお得意様と一緒に松根がやってくる
松根がお得意様の見合い相手であることを知る倉橋
ベッドの中で、「ゲイが結婚するなんて!」と、面白おかしくひやかす倉橋
けど、松根はこのまま結婚するという
昔、家族にゲイバレしたとき、大騒ぎになり、「ゲイは治す」ということでその場を収めたことがあると話す松根
倉橋が「女と寝れるのか?」と聞くと
松根は「女と寝れた時はホッとした」と語る
松根「男が女と寝れたって誰も“病気だ”なんて叫ばないし、愛情に性別は関係ないなんて泣いたりしない・・・」
そう語る松根
これ、きっと家族にゲイバレした時、そう言われたんでしょうね・・・
松根の心にあるのは怒りなのか悲しさなのか・・・それとも諦めなのか・・・
倉橋には松根が抱えるつらさがわかるんでしょう
そっと松根の背中を抱きしめるんです
そして・・・
実は、受けの倉橋は、小さい頃から家庭に恵まれてこなかった人間なんですね
明るくて、いつもおちゃらけててってキャラなんですけれど、その心の中では、唯一の味方だった兄が結婚し、子供を作り、家庭を作る姿を見ながら、自分が「本当の孤独」になることに怯えてる
ある日、家に兄と松根が止まった夜、倉橋が静かにその怖さを語るんです
倉橋は松根にその怖さを語った後・・・「なんてね」とおどける
語ったことを「冗談」にしてしまおうとする倉橋
でも、松根には、切々と語った「孤独への恐怖」が倉橋の本当の心の内だとわかっている
だから、松根は倉橋を抱きしめるんです
いやいや・・・ほんとにね・・・
セリフや言葉にせずとも、主人公たちの持つ心の不安や孤独や怒りを着実に読者に伝えてくるのがすごいんですよ
このふたりが惹かれ合ったのはほんと当然のことのように思える前半・・・
でも、松根は家族のために見合い相手と結婚しなければならない
だから、「本気で好きになる前に・・・」と倉橋から別れを切り出すのです
海ホタルの感想
最後はちゃんとハピエンとなっています
試し読みで、松根がタバコの煙を倉橋に吹き付けるシーンがあって、「あ・・・この攻めちょっとダメかも・・・」と思ったんですけど・・・
このタバコがある種のキーアイテムとなっています
よく見ると・・・表紙にもタバコの煙が描かれていますね
作者様にある種の思い入れがあるアイテムなのかもしれません
ストーリーとしてはあるあるなんですけど、大島かもめ先生だからこそ描ける「切々とした」感じがよかったです
大人の女性が読んで胸にじーんってくるタイプのBLだと思います
とてもすてきな作品でした
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