”スメルズ ライク グリーン スピリット” スピンオフ「深潭回廊(1)」永井三郎

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オトクにBLが読みたい!

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追記電子配信されたので更新しました(9/11)

「スメルズ ライク グリーン スピリット」のスピンオフコミックが発売されていると知り、ソッコー手に入れました!

「スメルズ ライク グリーン スピリット」で、セクハラ&ショタコン教師役で登場した柳田にスポットが当たっています!!

「深潭回廊(1)」を読むにあたり、「スメルズ ライク…」を読みなおしたのですが

やっぱり・・・泣く・・・号泣・・・・・

こちらの作品は、セクシャリティに悩む少年たちのお話で!!

今は、当時とは違って、LGBTへの理解も深まってきているわけで!!

だから、最近の若い人が読むとどうなんだろう?って思う部分もあるけど

わたしは、この作品にある根本的テーマは、「ありのままの自分で生きることの難しさ」だと思います

男の子同士でカップルになっていますが、BLというジャンルで一括りにできない作品!

では「スメルズ ライク…」未読と言う方も多いと思うので!

「スメルズ ライク…」の振り返りをしてから「深潭回廊(1)」の紹介をしたいと思います

「スメルズ ライク グリーン スピリット」はこんなお話です

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画像出典:「
スメルズ ライク グリーン スピリット SIDE-A」帯より

1巻の発売が2012年5月です

ナンバリングじゃなく「SIDE-A」「SIDE-B」表記で、完結しています

1巻(SIDE-A)の試し読み部分が、けっこうきついいじめシーンなので!

痛い系のコミックなのかな?って心配になるんですけど

いじめのシーンは最初の部分だけ!!

いじめられている主人公の三島は、自分のセクシャリティで悩んでいるものの、なかなかふてぶてしい性格をしているのでご安心を~!

さて・・・試し読み部分で三島をいじめている桐野!!!

彼は、実は「女の子になりたい(女装がしたい?)」願望があるゲイ!!!

「普通」とは違うセクシャリティを持ったふたりは、その秘密を共有することで、お互いの前でだけ本当の姿をさらけ出せる親友になる

逃げ場のない閉塞感あふれる田舎で、自分のセクシャリティに悩むふたり

悪意あふれる噂や好奇な目。親からの圧迫感や教師からのセクハラ

どんなに心が傷つけられようと、自分らしく生きる道を探そうとするふたりの青春にはつらさと眩しさが同居してる

ふたりを取り巻く家族背景をきちんと描いているのも、ストーリーに深みを与えてて!

特に自分の子供がゲイであると知ったふたりの母親の反応の違いは考えさせられます

どっちの反応も、読んでて号泣です

ストーリーは停滞することなく、どのエピソードもハッとするシーンが用意されていてかなり読み応えがある作品

ふたりの選んだ道の行き先までをきちんと描いているのがこれまたよくって・・・

「自分が選んだ道を行ったら幸せなんだよ」と・・・ご都合主義のハピエンじゃないのがこれまたすばらしいのです

ほんとね・・・このラストは胸に刺さる!

幸せになるためには、まず、覚悟を決めること

そして、幸せにたどり着くために毎日をどう過ごすかが大事なことを教えてくれる作品なのです

この作品は、読む人によって「BLか否か」が変わる作品です
BLらしいエロシーンはありませんが、同性でくっついています!

「深潭回廊(1)」のここが面白い

柳田のその後が描かれています

「スメルズ ライク…」で登場した柳田先生が主人公の作品です

柳田は、「スメルズ ライク…」で、セクハラ&ショタコン!!レイプ未遂犯の教師として登場しました

そう紹介すると、なんかすっごい悪者みたいなのですが!!

「スメルズライクグリーンスピリットSIDE B」の方に

柳田が病んでしまった原因となった少年時代のお話が収録されていて

それが、これまた胸が痛くなるお話なんですよね・・・・

なぜ!少年時代の柳田に手を差し伸べてやる大人がひとりもいなかったんだ!!!と本気で憤りを感じる作品!!

「スメルズ ライク…」で、柳田は、自分の生徒であった三島をレイプしようとし、失敗し、そのまま逃亡してしまいました

その後の柳田が描かれているのですが

柳田・・・ホームレスのような生活をし、完全に心閉ざして生きていたみたい・・・

ボウボウに伸びた顔と目だけぎらぎらした風貌は、もはや「妖怪」

死に場所を探し、さまよう柳田

だけど、この風貌では目立つ!と気づき、ようやく人らしい姿を取り戻し、海沿いの街で「山田」という偽名を使い、ひっそりと暮らし始めるるのです

なのに・・・他人と係わりを持つと、どうしても、そこになじむために笑顔を作って偽りの自分を演じてしまうんですね

一体、自分が何を求め、何がしたいのかわからなくなった柳田の体がカラカラに枯れていくマンガ的表現が巧い!!

怪しい魅力を持つ少年の魅力にとりつかれた柳田

性対象は、「少年」の柳田

でも、自分の中にある欲望をひたすら押し殺し続けます

肥大する柳田の欲望が絵で表現されているシーンは、まるで大きな怪物のようで・・・

すべてを飲み込みそうな怖さがある

そんな柳田の前に、近くにある中学校に通う少年がやってくる

この少年・・・友達といる時は、アホな顔した今どきのやんちゃな男の子って感じなのに

柳田とふたりになると、途端に妖しげな色気を出すんですよ・・・

ショタコンの柳田は、この少年を襲いたくなる衝動にかられ苦しむわけですが

なんと!!!

この少年の方から柳田を誘うのです!!!

ええええ!!!!!って展開にドキドキ!!

いや・・・もう・・・本当に衝撃でした・・・

さらに、この少年の持つ二面性がすごくコワイんですよ!

まるで、真っ白な紙にぽつんと落ちた黒いシミみたいに

誰も気づかない間にじわじわと広がっていくような怖さがある・・・

ほんと、得体のしれないものほど怖いものはないですよね・・・

柳田の運命はどうなるのか?

できれば・・・柳田には幸せになってほしい!!

今後の展開からも目が離せない作品となっています

海ホタルのまとめ

「深潭回廊」のほうは、ほんと、マンガ的表現がすごく巧みすぎて!

もう!目が離せず一気読みです!

「スメルズライクグリーンスピリット」が未読でも楽しめると思う!

ストーリーは、かなりのシリアスなんだけど、永井三郎先生らしく、コミカルなコマもところどころに差し込まれています!

特に、最後の載っていた、描きおろしの柳田先生の放浪記・・・

柳田は、つらい心で放浪してるとわかっているけど・・・ふざけた描写の数々に笑いがこみあげてきました・・・

柳田先生・・・ごめん・・・(笑)

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