こんにちは!!海ホタルです!!
冥花すゐ先生の「イトウさん」の2巻読みました!!
「イトウさん」は、殺し屋と男娼の恋を描いたかなりダークかつシリアス寄りなBLコミックです・・・
ラストが、救いがあるような・・・ないような・・・なんとも曖昧で余韻を残す終わり方をしているBLコミックなんですよね・・・
わたし、ハピエンものが好きな人なので・・・「面白かったけど・・・でも、2巻はいいかなー・・・」って思っていたんですけど、1巻を読み返してみたら、「うん?続きがあるなら読みたいかも」って思っちゃって・・・
1巻ではなかった「救い」の部分を求めて、ポチしてみました
結論から言うと・・・読んで良かったです!!
というわけで!!!本日は「イトウさん 」2巻のレビューを書かせていただきます
1巻が、未読の方のために1巻のおさらいも書かせてもらいました
どういうタイプのダークな内容なのか?気になっている方は、ぜひ、このまま読み進めてみてくださいね!!
目次
作品紹介
機械のように生きてきた”I”は、娼夫のキョウスケから”イトウ”という名を貰う。
これは、”イトウ”と”キョウスケ”の始まりと再生の物語ーー。
「イトウさん 1巻」振り返り【ネタバレ含】
ものすごい高評価の口コミを見て手に取った1巻
殺し屋としてこの世に存在する“I”(たぶん・・・コードネームのようなものかと・・・)と、男娼の“キョウスケ”のラブストーリー
見どころは・・・
やはり、殺し屋として育成され、人間らしい感情を一切持たなかった“I”が、キョウスケと出会い、初めて愛情という感情を持つこと・・・
そして、彼を育成したボスとの複雑な愛情関係
子供の頃から客を取り続けてきた男娼のキョウスケが、“I”に出会い、本当の愛を知るという部分などだと思います
殺し屋として育成された“I”は、自分の任務遂行のため、痕跡を残さないようにするため、たまたまバーで見かけた男娼にホテルに部屋を取らせます
その男娼が「キョウスケ」で、キョウスケは、“I”と名乗った彼を「イトウさん」と名付けるのです
殺し屋として育成され、あらゆる感情を麻痺させた殺人マシーンでしかなかった“I”は、名前をつけてもらったことで、何かしらココロの中でざわめく感情が生まれます
イトウさんは、キョウスケが、男娼として手酷い客相手にでも商売をしていることを知り、アタッシュケースいっぱいのお金をキョウスケにあげます
お金で幸せを買えることを知っているのに、本物の愛は買えないことを知らないイトウさんが悲しすぎる・・・
そして、キョウスケを暴力的な客から守るため、平気でその客を殺すイトウさん
キョウスケは、そのイトウさんの愛に怯えることなく、ただ、「イトウさん」と一緒にいたいと思うのです
キョウスケは親の命令でウリをずっとやってきた子供なんです・・・
生きるために、あらゆる感情を麻痺させて、男娼として生きてきました・・・
人としてのなにかしらの感情が麻痺している者同士・・・そして、強く自分を求めてくれた初めての相手としてイトウさんに惹かれたのかもしれません
ふたりは逃避行へと旅立ちますが、イトウさんのいた組織がそれを許すはずもありません
ふたりの、この逃避行シーンは、ほんと、美しくて悲しくて儚くて・・・
幸せになれない未来が待っているのに、それでもふたり寄り添い愛を確認しあうシーンは、ほんとすばらしいんです!
最後は、イトウさんを育成した「ボス」の登場で、ふたりは窮地に陥ります・・・
このボス・・・人間の全ての感情を、科学的にしか捉えられない人なんですよね・・・
そして、その科学的根拠を使えば、人を操れると思っている・・・
本物の愛を知らないボスなりに、自分が手塩をかけ育てた殺し屋の“I”を大事に思っていたようなセリフを吐くのがなんとも哀しい・・・
1巻のラストは、キョウスケが全ての記憶を失い、バーで働いていて、そして、そのバーに、組織を離れたイオウさんが通っているというものです
このラストに救いを感じるか感じないかは、読む人によって意見が別れると思います
キョウスケの暴力的なモブ姦シーンも多いし、読む人を選ぶ作品かな・・・
でも、わたし、この作品、キライではないんですよね・・・
感情を持たず機械のように淡々と人を殺していくイトウさんがキョウスケと出会えてよかった!って部分もあるし、キョウスケもイトウさんと出会えたことで、誰かに大事にされ、愛される喜びを知るわけですから・・・
流血・モブ姦・ほのぐらいラストという痛みのある描写の中で、うっすらと光る愛だからこそ美しく儚く永遠に目に焼き付けたいって思える作品だと思います
「I-イトウさん 2」のここが面白い
イトウさんの子供時代が描かれている
その1巻の続きとなる2巻の始まりは、「イトウさん」の子供時代が描かれています
とはいっても、10歳にも満たないような年齢の「イトウさん」はある日、突然、自分のことを認識するんですよね
ボスが「君は今 この部屋で産まれたのだよ プロトタイプNo.9 “I”」と言っています
あれ?イトウさんって。ロボットなの?って一瞬思っちゃいましたが、この後、ボスから性教育を受けていて、人間だと判明・・・(そうだ!!1巻では人間だったもんな!!!)
じゃあ、ロボトミー実験でもされたんかなー・・・って思うんだけど、そのあたりは曖昧なままです・・・
殺人マシーンのごとく、淡々と任務を遂行していくイトウさん
でも、愛を語る人たちを見て、自分もその「愛」を知りたいと思い始めます
そんなイトウさんの気持ちを、全面否定するボス・・・
ボスにとって「愛」とは、人が繁栄するために進化の中で取得した脳のシステムでしかないのです
一度はボスにより絶たれた「愛」という感情への興味・・・
再び、その「愛」という感情がイトウさんに中でざわめき出すのは、キョウスケに出会ったことからでした
1巻の続きとなる作品が収録
1巻のラストは、キョウスケが全ての記憶を失うというものでした・・・
そこに救いを見出した読者もいれば・・・「え!!なに?このすっきりしない終わり方!?」って思った読者もいたと思います
いわゆる、すっきりしないことで強い余韻を残すタイプの物語ですね。
しかし・・・この2巻で・・・・その後のイトウさんとキョウスケのお話が収録されていました!!
キョウスケは最後までイトウさんと過ごした逃避行の日々を思い出すことはないんですけど、イトウさんへの思いだけを思い出すんですよ!!
その昔、イトウさんと一緒に見るはずだった景色を見ながら「俺はずっと前から この景色を夢見てた」というキョウスケのセリフにこの物語の全てが詰まっていると思います
ほんま・・・ええ話やー・・・・涙!涙!涙!!
わたしは、やはり、ハピエン至上主義ですので・・・この2巻を読んで、スッキリした部分が大きかったです!!
キョウスケ・・・今度こそ、イトウさんと、幸せになるんやでー!!
パラレルワールド「イトウさん」も楽しめる
パラレルワールドのキョウスケとイトウさんの物語がショートで収録されています
これは、すごい、遊びココロのある夢があるストーリーですね
ちなみに設定は、キョウスケが高校生で、イトウさんは先生です
まとめ
1巻でお腹がいっぱいだったので、2巻は、もう、いいかなって思っていたんですけど・・・
読んで良かったです!!!
やっぱり、マンガのラストは、こういうスッキリしたハピエンがいいなって個人的には思います。
この作品が気になった方は、ぜひ、試し読みをチェックしてくださいね!!
あと、書き忘れたポイントと言えば・・・やはり、イトウさん独特のセンスのあのネクタイ・・・
あれな!!あれ!!
イトウさんのネクタイだけでもいいから見てほしいわー!!!