こんにちは!海ホタルです
小石川あお先生は、デビュー作の「食べないの? おおかみさん。」がすごくよくって!
2作目も、獣人BLと聞いて、もしかして二番煎じ・・・?と思いつつ読んでみたら
2作目も、すごいよくって!
ケモミミ&しっぽを持っている人たちが出てくる獣人BLです
もふもふかわいい♥
とっても温かくて心がほのぼのといてくるお話なので、紹介したいと思います
目次
作品紹介
奴隷商人に殺されそうになったところを、雪豹の獣王陛下に助けられた”砂かぶり”。
一族の皆とは毛色が違うため居場所がなかった砂かぶりを、王様は「運命の番」だと言い、きれいな服を贈り、ふかふかのベッドで寝かせ、食べ残しではない美味しいご飯を食べさせてくれる。
さらに、王様は砂かぶりに「紅藍」という素敵な名前まで付けてくれた。嬉しくて王様の役に立ちたいと思う紅藍。
でも、紅藍は「番」がどんなものかよくわからなくて……。
「獣王陛下と砂かぶりの花嫁」のここが面白い
だれにも心許せない孤独な王様が登場
むかしむかし・・・貧しい村に天の国から神獣が落ちてきました
村人たちは、ケガをした神獣を手厚く介抱し、やがて、神獣はその村の娘と結ばれ、不思議な力でたくさんの恵みをもたらしました
村は栄えて、いつしか国になり、人々は敬愛をこめて、ふたりを“運命の番”と呼んだ・・・
そんなお話が語り継がれる世界でのお話です
昔物語に登場する神獣と同じ「雪豹」として生まれてきた王様
母親は奴隷でしたが、神獣と同じ「雪豹」として生まれたため王位継承者となります
王様には兄がいました
だから、周りの者たちは、兄を差し置いて王様になる奴隷の子供が面白くない
幼い王様を傷つける心無い噂をします
悪意の中で育った王様は子供の頃からずっと孤独でした
「好きで雪豹としてうまれてきたわけじゃない・・・」
王様は、誰も信じられず、宮殿でひとりぼっちで暮らす孤独な王様に育つのです
そんな王様が、自分の“運命の番”であるキツネの子と出会うのです
奴隷として殺されそうになっていたキツネの子を助けて宮殿に連れ帰ってきた王様
王様は、匂いで彼が“自分の運命の番”だとわかりましたが、キツネの子は、よくわからないみたいで・・・
キツネの子に自分を好きになってほしくて、王様は、ほしいものはなんでもあげると言います
愛を知らない王様は、モノで好きな子の気持ちを自分に向けさせようとするのですが・・・
うまくいかなくて・・・
王様を愛する健気なキツネ
白いキツネの仲間の中で、赤みがかった毛並みで一人ぼっちだったキツネの子(←姿は人間でケモミミと尻尾を持っている)
仲間からは邪魔者扱いをされ、“砂かぶり”と呼ばれ、奴隷商人に殺されそうに・・・
そんなキツネの子を助けてくれたのがこの国の王様である雪豹
王様は、キツネの子を「自分の番」だと言ってくれるけど、キツネの子は“番”と言われてもピンとこない
王様は、“砂かぶり”なんてひどい名前を持っているキツネに、「紅藍(こうらん)」という花の名前をあげて、自分の番として大事にするのですが
キツネは、王様と自分が番だとは信じられなくて、困ってしまいます
せめて、助けてもらった御恩を返そうと、城のことを一生懸命お手伝いしだす紅藍
そんなキツネの子に、王様は、膝枕などを要求しだして・・・
キツネの子は、王様を膝枕し、王様のきれいな毛並みをサスサス
そして、知っていく王様の孤独・・・
一緒に優しい時間をすごすことで、少しづつ、王様に惹かれていくのです
実はっ・・・て展開が面白い
孤独な王様と、ひとりぼっちだったキツネの子が出会って、心通わせてって展開だけでも面白いのに
このお話にはもうひとつの伏線がはってあるんですね
それが、キツネの子がまだ幼い子供の頃に、王様と出会っているという展開!
王様は、まだ正式に王位継承をする前で、いろいろやさぐれていました
もう、国なんてどうでもいい!と自分の持って生まれた使命を放棄しようとしていた時に、幼いキツネの子と出会って、王様になる決意をしたのです
もうねー・・・この、「実は・・・」って部分がすごくよくって!
もし、この時、キツネの子と出会ってなかったら・・・?って考えると・・・
人と人の出会いは人生の分岐点なんだなって思えてくる
幼いキツネの子と出会ったことで、王様が、いい王様になれて本当によかったと思いました
いろんな表情を持っている王様に胸キュン
雪豹の時の姿は、キツネの子の何倍あるの?ってくらい大きい獣の姿で、なんというか・・・いかつい・・・コワイ・・・迫力があるって感じの王様・・・
でも、キツネの子を口説くときは、金髪姿のイケメン男にへんしーーーーん!
さらに!
キツネの子の気持ちに、気持ちが動かされる時には、コミカルな姿の雪豹姿で描かれてて!
とっても、いろんな感情の側面を持っている王様なんです
しっぽをフリフリしている姿もむちゃくちゃかわいいし!
キツネの子に「ねこちゃん」と呼ばれてる(笑)
いかつい王様が、キツネの子に「ねこちゃん」と、かわいい子扱いされる姿にほっこり!
それを許す王様に愛を感じましたね!
海ホタルの感想まとめ
王様の国にはとても美しい
国民の食糧を賄えるだけの豊かな農作物・・・多様な種族を受け入れる制度・・・
穏やかでとても美しい国なのですが、王様がそういう国を作ったきっかけが、キツネの子だったってオチになんとも胸がじーんとなりました
好きな子のことを思っていたら、いつの間にか国が豊かになっていたって!
夢がありますよね~!
孤独な王様は、豊かな国を作ったことで民に頼りにされます
そして、キツネの子と一緒になったおかげで、慕われる王様になりました
孤独な王様がキツネの子を愛して、すべてがいい方向に変わっていく
ほんと素敵なお話です
最後にはいっていた4コマ漫画も、すごくほのぼの♥
王様の側使いのウィルデの策士ぶりにもクスッ・・・
ほんと、心温まるお話なので!
ココロが乾いている時に読んでほしい作品です
けれど、子供の頃から孤独だった王様の心は誰にも開かないって感じで・・・
なんか、かわいそう・・・