一ノ瀬ゆま先生の「gift(下)」が発売されました!
電子版は紙書籍と同時配信で、そっこー読ませてもらいました!!
もうねー・・・
この作品は・・・・
中巻が、胸引き裂かれるハラハラの展開で・・・
しかも「ええ!!!これ自分で自分を刺す気満々だよね!この子なら、絶対に刺すよね!!どうなっちゃうのぉぉぉぉ!!?」ってところで次巻に続くで終わっていて・・・
下巻が出るのをずっとずっと待っていた作品です
無事発売されて涙・・・
あの中巻の展開から、どうやったらハピエンになるの?とドキドキ・ハラハラで読ませてもらいました
では!紹介に行ってみましょー
目次
「gift」の今までを振り返る
gift(上) 白い獣の、聞こえぬ声の、見えない温度の、
骨太でシリアス!愛を知らない美しい主人公が好きな人のためにすべてを差し出していく展開がひたすら切なくグッとくる作品です
白い肌と青灰の瞳、銀の髪をもって生まれた勁(けい)
生まれた勁の容姿にショックを受けた母親は家を出てしまい、残った父親に幼いころからウリをさせられます
勁は、自分の中に痛みやつらいことを受け取るもう一人の人格を作り出し、自分の身の周りに起こることをゲームに見立てることで、痛みを感じないまるで人形のような男に育つ
そんな勁の前に現れたのがボクシングジムでトレーナーをしている宥(ゆたか)
宥は、街で喧嘩をする勁のずば抜けた身体能力に惚れてボクシングに誘う
勁はボクシングジムの寮目当てでジムに入所する
しかも、勁は、自分がゲイであることをひた隠している宥の弱みに付け込み、脅迫をする
1巻では、まるで人形のような勁が、心優しく面倒見のいいトレーナーの宥と一緒に過ごすことで、「宥の特別になりたい」と思うまでが丁寧に描かれています
まるで生まれたばかりの雛のごとく、宥のために・・・宥の望むことだけを・・・と健気に尽くすようになる勁
けれど、感情表現があまり出ないので、宥は勁が自分の犠牲を払ってでも宥に尽くそうとしていることに気づかない
「勁のために」と宥が発した言葉は、どんどん勁を追い込んでいくのです
ふたりの気持ちがかみ合っていないすれ違いがこれまたうまく表現されていて、本当に読んでいてなんともつらいのです!!
ふたりとも両想いのはずなのにね・・・
1巻は、それがうまく伝わらないもどかしさに胸が締め付けられる展開なのです
gift (中) 赤い桎梏の、約束の場所の、望んだ十字架の、
さらに!!
2巻では、勁の兄が登場
勁の兄は、新興宗教にいて勁をその教団へと引きずり込む
その新興宗教・・・社会的に問題になっている団体で、実は裏ではドラッグ販売から殺人までやるような犯罪組織
この時点で、頸は自分が宥に嫌われたと誤解していて、新興宗教のリーダーの命令通りに動くんだけど・・・
ここで、まっとうな生き方を教えてくれた宥の言葉が頸の中にあるもうひとつの人格を不安定にさせていく
その不安定さは、勁がさらなる暗闇の中にどんどん堕ちていくように描写されていて、とってもハラハラする展開なのです
けれど、宥のもとに帰りたいと思う勁は、教団から抜ける意思を表す
新興宗教のリーダーは、「教団から抜けるなら、その刃物で腹を刺してほしい。生きるか死ぬかは運しだいだ」とナイフを勁に渡すのです
「gift」3巻感想
新興宗教を隠れ蓑にした非合法組織に取り込まれ、粛然と仕事をこなしていく勁。そんな彼に「御子柴ジムが潰れる」と、突然の危機が告げられた。この事態を回避して宥に喜んでもらいたい一心で、勁は組織トップからの無理難題を二つ返事で引き受ける。
得体の知れない恐ろしいものに搦め捕られた勁を、なんとしても連れて帰る。そう心に強く誓って〈約束の場所〉に立つ宥の前に現れたのは、まるで真っ赤な花束を抱えたような勁で――。
ふたつの魂の、邂逅と宿命の物語、ついに完結。
2巻のラストの、自分がこのナイフを自分で刺せば、宥を悩ませることすべてが解決するんだ!と思った時の勁のうれしそうな顔がほんとつらかった
そして、3巻の冒頭では、勁が本当に自分自身のことを刺すという展開!!
「きっと宥がほめてくれる」って思ってる勁
そんなわけないだろーーー!!!って思うんだけど・・・そう思っちゃうのが勁なんだよ!!!
血だらけの勁を見て、泣き叫ぶ宥のボロボロの顔がつらい!!
なのに・・・ここで、勁は「宥が喜んでくれない!」ってショックを受けるんです
血だらけで意識も混濁状態の中、勁の中ではふたりの勁が言い争いを始める
ううーーーー・・・・・涙・・・
振興団体がどこまでもふたりを追い詰めていくしさ!!
本当に、これ、ハピエンなのーーーー!!!!って、ひたすらページをめくりましたよ・・・
でも・・・結局のところ、振興団体のリーダーの目的は勁ではなく勁の兄だったという展開になる
リーダーは、勁の兄が手に入れば、勁のことは自由にしてもいいと思っていたみたい!
勁のことは自分が守らなければならないって思っていた兄
その兄への荒療治のためにここまでするなんて・・・
ある意味、振興団体のリーダーの勁の兄への執着がコワイ・・・
そして・・・
コミック3巻の中盤には、勁と宥は無事、再会できています!!涙!!涙!!涙!!!!
そして、勁は、意識混濁状態の中、もうひとつの人格を自分の中に受け入れます
今まであったつらいこと・・・苦しいことをすべて思い出した勁・・・
受け入れたことで、すごい悲しみやつらさが勁を襲うんです
自分の中にあった悲しみを吐き出すように慟哭し続ける勁・・・
これは、勁が感情を取り戻したシーンなんですね
そんな勁に寄り添う宥
過去の痛みを乗り越え、泣ききった後、少しづつ勁が笑顔を見せ始める流れは、ほんと、涙なしでは読めません!!!
暗闇にいた勁が、光のさす方向に歩いていく流れはほんとうドラマチックで胸が熱くなります
最後のね・・・勁の笑顔がね・・・本当にまぶしい!!
宥の笑顔もね!!ほんと、胸にギュッとくるラストでした
ふたりでいろんなものを乗り切ってたどり着いた光のある場所
ほんと!ほんと!すばらしいコミックだったと思います
海ホタルの感想まとめ
ぶっちゃけ、BLというより、人間愛を描いた作品って言葉のほうがしっくりくる作品かもしれません
エロシーンはありますが、とってもきれいなエロです
新興宗教団体が出てきたあたりが、ちょっと唐突で、路線がグッと変わったように思えましたが、でも、勁の再生と成長を描いているという根底は揺るぎがないままです!
3巻の最後の登場人物の紹介がこれまたいいんですよ
まるでドラマのエンディングロールみたい!!
こういうエンディングロールのような紹介、すべての長編BLのラストでお願いしたいわ!!
一ノ瀬ゆま先生は、センスのよさがありますよね
「gift」も一ノ瀬ゆま先生の感性がギュッと詰まっている感じがします
モノローグやセリフがかっこいいし、それでいて、絵が本当にお上手!!
ほんとうに読み応えのある上・中・下巻だと思います
勁と宥。そしてふたりを取り巻くすべてがこれからも幸せでありますように・・・と願わずにいられません
コメントはこちらから