これぞオメガバースと唸る逸品!「少年の境界(1)」akabeko

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akabeko先生の「少年の境界(1)」読みました。

続きものなので、読んだら、先が気になっちゃうかな?

どうしよう・・・と迷っていたんですけど、akabeko先生の前作の「蝶と花の関係性」がすごい面白くって!

だから、どうしても気になっちゃって、読んじゃいました。

表紙を見るとハピエンという雰囲気はないし、告知の方にも「オメガバース世界の闇」という一文があって、痛い系かな?耐えられるかな?・・・と思いつつ読んだんですけど、1巻では、オメガバースの性別検査後に変わってしまった幼なじみの関係性がクローズアップされている感じです。

では、レビューに行ってみましょう!

追記こちらの作品は2020年に最終巻である3巻が発売されています(2020/8/13)

目次

作品紹介

登場人物&あらすじ

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左::薫・・・ゆかの幼なじみ。大人しい子で、小さい時からゆかに守ってもらっていた。
右::ゆか・・・やんちゃで活発な性格。

自分の一生を左右する性別検査男女とは別に存在するα・β・Ω性は、そのまま社会的地位をも分ける。性別検査を受検したゆかは、仲間内で自分だけがΩだという事実を突き付けられた。クラスでの孤立、αである友人の大我を恐れ、Ω性であることをひた隠しにするゆか。しかし保健室に駆け込んできた幼なじみである薫の様子を見て、大人しく地味な彼が自分と同じΩ性だと気付き――?

「少年の境界(1)」のここが面白い

不安定な大人と子供の境界線!自分がマイノリティ側だと突きつけられるつらさ

オメガバースコミックってほんとたくさん出ているんですけど、作品によって、オメガの設定って微妙に違うんですよね。

基本ベースは変わらず、作者様なりに采配をふるえるのが、このオメガという存在。

この作品の場合、ベータ以外のオメガとアルファが圧倒的マイノリティ側であり、そして、オメガは、アルファ女性、ベータ女性よりも妊娠しやすい存在として、絶対的な弱者として扱われています

10代の大人と子供の境界線である不安定な時期に学校で性別検査が行われるのですが、そこで、自分が弱者であるオメガであることを知るゆか

明るくて活発で友人も多い自分は、オメガではないと思っていたゆかは、自分がマイノリティ側だという現実が受け入れられない

しかし、その状態で訪れる人生初の発情期

イヤでも、自分がオメガ性であることを突き付けられ、恐れ戸惑い困惑するんですね。

自分の能力とは関係ない所で「弱者」という烙印を押されてしまったことで、ゆかは絶望感と孤独感でいっぱいになり、今まで楽しく過ごしてきた仲間とも距離を置いてしまう

性別検査の結果ひとつで、友達との関係も幼なじみとの関係も全て壊れていく悲しさが酷い・・・

「自分だけがひとりぼっちだ・・・」というゆかの絶望感は読んでいてつらい・・・

ゆかを取り巻くふたりのアルファ

そんなゆかを取り巻く男性がふたりいる

ひとりは、小さい頃から、ゆかの後をひたすら追いかけてきた頼りなさげな幼なじみの薫。彼は、性別検査でアルファで!

薫は、小さい時からゆかのことが大好きなんですけど・・・だけど、薫はゆかが大好きだけど、ゆかの「運命の番」じゃない!

「運命の番」に出会うと、感情より先に体がそちらに向かっちゃうのに!?

だからね・・・薫は、ゆかのことが大好きなんですけど、運命の番じゃないから、すごーーーーく悩むんです

こんなに好きなのに、自分に縛り付けることが相手の幸せじゃないなんて・・・せつなすぎますよね・・・涙

でも、この薫以上に私が面白いと思ったのが、ゆかの仲間の大我の存在!

大我は、むっちゃひどいやつなんですよ!!今まで仲間だったゆかがオメガだと知った途端、仲間のみんなの前でゆかをヤろうとするんですよ!

「アルファとして犯してやるのが一番だろう!」とか吠えています!

なんじゃ?その身勝手な言い分は!!怒!怒!怒!!!

こいつ、ひどいやつのままで終わっていくのかな?って思っていたら?

最後の最後で、「あれ?もしかして、ゆかの運命の番って、大我の方なの・・・?」って思わせる描写がほんのりでてくるんですよ・・・・

ええ・・・そうなん?そうなん?・・・ドキドキドキ・・・ってところで、2巻に続くです・・・・

クチコミを見ても、「2巻発売まで待てない!」「続きが気になる」という文字が踊っていますが、ほんまそういう終わり方です

薫とゆかのふたりが、すごく幸せそうに抱き合っている描写の後に、この大我の「運命の番」疑惑が入ってくるのが、ほんま、上手いよな・・・って思いました。

気になる2巻!!

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とにかく、この後、どう展開していくかが気になる作品なんですが、巻末にある、この2巻告知を見て気になるのが、セカンドシーズンでは「4人」になるようなんですけど?煽りの「あとの1人」って誰なんですかね?新キャラですかね?

「幸運にも“運命”を見つける」って・・・これ、いい意味に受け取っていいの?泥沼の予感として受け取ったほうがいいの?

楽しみすぎる!!!

「大我の“運命”は時すでに遅く」とありますが、大我には、がんばってほしいと思います。

仲間の前でゆかを犯そうとするなんて、なんて悪いヤツなんだ!!って思うんだけど、大我って、なんか、憎めないキャラなんですよね

ゆかと薫は「運命の番」じゃないけど、このふたりには、何があっても、本物のハピエンを手に入れてほしいと願っています!

まとめ

未熟な10代で一生の相手を決めてしまうって・・・

ある種のドラマチックさがあると同時に、怖さもありますよね。

しかも、オメガバースの場合、それに縛られるのが、オメガ側だけっていうのが、また、悲しい。

オメガバースの設定が上手く生きているコミックだと思いました!10代の不安定さにハラハラします!

2巻の発売が、本当に楽しみな作品

一層、ドラマチックに、一層、センシティブな展開に期待したいです。

 

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