こんにちは!海ホタルです
バラ売りで電子配信されていた「愛というなまえ」が1冊にまとまりました!
実は、この作品・・・
バラ売り、第一話が何度か無料配信されていて、読んだことが有るのですが・・・
けっこう、第一話が、個人的に「ドン引き展開」なんですよね
田中森よこた先生の可愛らしい絵で表現されることで、痛みが中和されている部分もあるんですが・・・
いやいや・・・だまされるな・・・これ、何度考えてもひどくね?って感じで・・・
でも、それゆえに先が気になって仕方ないという・・・
そこで、1冊にまとまったのをきっかけに勇気を出して読んでみました
作品紹介
父を亡くし、東京を離れ、何もない田舎に引っ越してきた郁郎。祖母と従兄弟の恋文と暮らすことになるが、年上の恋文は意地悪でいけすかない奴だ。恋文を苦手に思う郁郎だったが、ある日彼が自分を嫌う本当の理由を知ってしまう。それは、郁郎が「殺したいくらい憎いけど、世界で1番愛していた男の息子」だからだった――。
切なくてもどかしい、愛しい“愛の物語”。
「愛というなまえ」紹介です
第一話のここが地雷だった!
ネタバレになっちゃうけど・・・
第一話を読んで、なにが地雷だったかって・・・
甥っ子にウリをさせたお金で自分の子供を育てている草太の存在ですよ!!
草太の甥である恋文
母親はひどいネグレストでひどい女だったのですが、そのひどい女と一緒にいる環境から救ってくれたのが、母親の弟である草太でした
母親からひどい仕打ちを受けていた恋文は草太のことを慕うのです
なのに・・・
恋文が(たぶん)10代くらいになって「仕事を手伝って欲しい」と言い、草太は恋文にウリをさせるんです!!
もう!!
ここ!!ドン引きですよ!!
見るからに良い人そうな草太
人がよさそうな顔の中に悪い顔がちらりとでもあったら、ここまでドン引きにはならなかったと思うんですが・・・
当時のことを振り返って、草太の息子の郁郎に「草太はね・・・子供なの・・・いいとも悪いことも区別がついておらん。自分が生きたいように生きたいだけ」と語るシーンがあります
待て待て!
自分が生きたいように生きたいけど、自分は傷つきたくないって男を、「いいことと悪いことも区別がついていないから仕方ないね」って思えるか?
わたしは思えなかった!!
これ、犯罪じゃん!!って気持ちになってしまった・・・
しかも!
甥っ子にウリをさせたお金で自分の子供を育ててるって!!!!
ドン引きダブル!!!!!
10代の幼い顔をしている恋文が知らない男相手に股を開いている絵が可哀想過ぎた!涙・・・
救いは恋文のツンデレさ。憎まれ口をたたきつつ我慢するその姿が切ない
コミックの帯に「殺したほど憎い男の子供に恋をした」とあるのですが・・・
数々のBLマンガを読んできた私の予想では、第2話あたりから、草太の息子の郁郎が恋文への気持ちをこじらせムリクリ体をつなげ、後から気持ちを育てていくって感じなのかな?と思っていました
いやいや・・・
全然、そんな展開ない!!ない!!笑!!
郁郎なんか、恋文を置いて、田舎を出るために大学進学は東京の大学に行く気満々だもん!
でも、周りの友達が、最後はこの田舎に帰ってくるって話を聞いて、そこではじめて、残される恋文のこと考えるんですね
そして、肉親である祖母の死があり、当たり前のように続いていた生活に変化が訪れ、ふたりの関係も変わり始めるのです
救いは、恋文の存在だよね・・・
郁郎と一緒に過ごす時間が長い分、自分を裏切った男の子供という憎しみよりも、慈しみのような情の方が大きくなっていくんですよ
でも、郁郎を自分の手元に置くのは、未来ある若者の自由を奪うことになる
だから、どんなにさびしくても、つらくても、郁郎の前では憎まれ口をたたき、東京の大学へと進学させるんです
この恋文の姿は、ほんと切ない・・・
唯一、心許した男から裏切られ・・・その男の子供を育て、自分の気持ちを隠し送り出す
最後は、郁郎からの告白で、体をつなげる展開へとつながります
この作品のよさは、最後の恋文が草太の遺影に向かって言う「郁郎を残してくれてありがとう」ってセリフにすべて集約されていると思いました
海ホタルのまとめ
個人的には、もっと、ぐちゃぐちゃでダークになる展開からのハピエンの方が好みなんですが、口コミを見ていると、この作品を好きって人の気持ちも理解できる部分もあるんですよね
第一話は、「ええ!」って驚きがあるんですが、その後に続く展開は、すごくやさしくて温かい
幼い郁郎の中に生まれた、8つも年上の恋文を守らなければ・・・と思う使命感
逆に、恋文のほうは、憎い男の子供であったのに、いつしか情が生まれ、ずっと一緒にいてほしい。という気持ちが生まれる。
でも、8つも年下の郁郎を縛り付けてはいけないと自分の気持ちに蓋をする
作者さまが、最後のあとがきで「とても大切な作品でした」と書いていて・・・
作者様の思い入れはすごく伝わる作品となっています
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