こんにちは!海ホタルです
永井三郎先生の「深潭回廊 2巻」が発売されました
もうねー・・・
ダークでシリアスな展開になること間違いなしだから、自分に耐えられるかどうか?
口コミをチェックしてから読みましたよ~(笑)
ページ数が足りなかった!って意見がいくつか見ましたが・・・
これには激しく同意!
ページ数134P・・・もう少し、ページ数がほしかったですね~
しかし、作品の全体の構成としてここで一旦コミック化するのがベストと判断されたのかもしれません
なぜなら、「ええ!ここで“続く”?」ってところで「次巻に続く」となってるから!
もう、これは、絶対に3巻買うわ~・・・
そして、ページ数そのものは短いけれど、読後、いろいろ考えさせられることも多かったですね
ぶっちゃけ、これは、BLというよりも、ヒューマンドラマってジャンルになるのではないかと・・・
太陽が降り注ぐ明るく開放的な島
しかし、見えないところで繰り広げられる暴力
逃げたくても逃げることができない閉塞感
こんなに外は明るいのに・・・逃げる場所がない・・・
とても、読み応えがある2巻だったと思います
紹介にいってみましょう!
作品紹介
柳田(やなぎだ)の無気力な日々は近所の男子学生・渚(なぎさ)によって劇的に変化した。渚との触れ合いは長年の傷を癒すように柳田をぽかぽかと幸せにする。そこら中に花が咲いて、視界はキラキラときらめいて、まるで全てが初めての世界。いつまでも、いつまでも、このあたたかな陽気が続きますように。
「深潭回廊 2巻」のここが面白い
柳田は「小児性愛者」じゃなかった?
こちらの作品は「スメルズ ライク グリーン スピリット」のスピンオフです
ここで登場した柳田は、教師でありながら、自分の生徒をさらい襲おうとしました
この時の柳田の異常性・・・「先生は、男の子じゃないとダメなんだよね~」
ゾワワワ・・・
このシーンは、多くの読者に、柳田は「小児性愛者」であるというインパクトを与えました
幼い頃、クラスメイトの南條くんに恋をし、林間学校で、南條くんとムフフ(←合意!)なことをしているところを大人たちに見つかり「異常者」扱いを受けた柳田
この時、母親を悲しませたくないと性癖を押し込めたせいで、柳田は「小児性愛者」として成長したんだ・・・と思っていましたが・・・
こちらの巻を読むと、もし、柳田が大人になった南條くんと再会していたら・・・・?
柳田は生徒を暴行することもなく、南條くんと幸せになれたのかも・・・という気がしてきました
結局、柳田がずっと求めているのは、南條くんだったんですよね
1巻から読み返してみると、確かに、ずっと、柳田は、常に「南條くん」を求め続けている
柳田が口に出す「南條くん」という言葉の響きがつらい・・・
1巻で、自分の性癖に苦しみ、死にたくてたまらないとひたすらもがいていた柳田
なぜ、そこまでつらいのに生きることを選んできたのか?
すべては、南條くんといつか再会したいという願いが心の奥底にあったから・・・
心の奥底に仕舞いすぎて、自分自身の願いが見えなくなっていたんですね
ほんとね・・・どうして、柳田は、大人になってから、南條くんを探そうとしなかったのか?と後悔ばかりが胸に広がります
ほんと、つらいなー・・・
2人そろって絶望の底へ・・・
1巻で登場した怪しい色気を持つ中学生の渚
1巻を読んだ時、怪しげな目つきで柳田を誘う渚を、男を狂わせる魔性の少年だと思っていたのですが、これは、勘違いだったようです
父子家庭で、学校に通いながら、家事もする渚
色気を持っているけど、それは渚自身が望んで醸し出しているものじゃない
なのに、渚の色気に勝手に寄ってくる男たち
暴力的に渚を支配してる怪物です
男に犯されると、海の中に飛び込む渚
暴力を受けたことなどすべてをなかったことにしたいかのように、海の中で胎児のようにまるまる姿は、本当に見ていて胸が痛い
中学を卒業しても、高校に行かずに、このまま島で就職をするしかない渚
渚は、柳田に「ここから出して」と言う
その声が柳田に届いていないのが、本当につらい・・・
渚を救えるのは柳田だけだと思うんだけど・・・
柳田は、南條くんに夢中!!!!
柳田も渚も絶望の中にいるまま終わった2巻!
このふたりに光がさすのはいつなのでしょうか?
ほんと幸せになってほしい!
海ホタルの感想まとめ
1巻は、ダークでありながらも、ダークになり切れない永井三郎先生のコミカルさが所々で光っていて、そこまで暗くならずに楽しめました
しかし、2巻は、コミカルさがあまりなく、ひたすらダークでした
1巻の巻末にあったふざけた描き下ろしなど!
むっちゃ、おもしろかったんですがね~(笑)
コミックの裏表紙に「誰かと寄り添える・・・それは奇跡みたいなこと」という煽りが入っているのですが
その下にある帯には「どんな願いも欲深い」とあるんですよね・・・
これも、なかなか、奥が深いですよね・・・
見える世界は美しいのに、その裏側には、いつだって、人の欲望がある
あなたを幸せにしたいという美しい感情でさえ、裏を返せば自己満足でしかないというむなしさ・・・
明るく同級生たちと屈託ない笑顔で話す渚
だけど、みんなが知らないところでは・・・
なにかを願うことは、それは「欲」になるのかな?
ほんと、いろいろ考えさせられる2巻でした
どうか、このふたりが幸せになりますように・・・と祈らずにいられません
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