こんにちは!海ホタルです
じゃのめ先生の「みちみちなるままに」がすっごくよかったので紹介したいと思います
ふわふわとした甘酸っぱい両思いターンから、いきなりガツーーンッと落とされる展開に、「ええええ?!」とびっくりして夢中になって読んでしまった
人によっては、ここが地雷になりそうってシーンもあるので!
そこは心して読むことをおすすめしたいです
どんな作品なのか?
気になる地雷シーンも含めて紹介します!
目次
作品紹介
地元で漫画家になる夢をかなえた武田(たけだ)。
絵を描く夢をあきらめ、家を出た長内(おさない)。
学生時代は恋人同然の二人だったが、長内の裏切りで武田は酷いいじめを受ける。
時を経て、大人になった二人は同窓会で再会する━━……時は満ち、未知と触れ、重なる道。
人生は、エモーショナルな一瞬の連続、こじらせ大人のセンチメント・ラブ。
「みちみちなるままに」のここが面白い
まぶしいほどアオハルなふたり!そこから、いきなりのエグい展開へ!
プロローグで登場するのは中学生の長内と武田
幼くてかわいい風貌の長内・・・
それに比べて、もじゃもじゃ頭でとてもかっこいいとは言えないヘタレ男子の武田
ヘタレ武田は長内のことが好きで、好きで!
長内にかっこよく告白したいと背伸びするが、ひとりで空回りしている!
だけど、ある日、美術室で絵を描く長内が、壁にぶちあたって苦しんでいるのを見て
寄り添って支えたいという一心で勇気を出して告白する武田
この時の武田は、とても「かっこいい」とは言えない
それでも、武田の「好きだ」という告白に、驚きながらもうれしそうな顔をする長内!!!
うわー!もう・・・なんて素敵なアオハルや~~~!!!と、胸がどきどきするこのプロローグ
しかし!
この後、はじまる本編で、いきなり武田がクラスメイト達から集団リンチを受けている
トイレで全裸にされて、水をかけられ、制服は便器の中にツッコまれ・・・
読んでる読者は、え?一体、なにが起こったの?長内とはどうなったの?なんで、集団リンチされてるの!?とただただびっくり!!
しかも、この時の武田の顔が、鼻水と涙でむちゃくちゃ不細工で~!
悲壮感が倍増~~~!(>_<)
一体!なにがあって、ヘタレ武田が集団リンチを受けているのか?
この時、長内はどこにいたのか?
リンチシーンは痛々しかったけれど、その答えを読まなきゃ終われないとばかりに必死で読み進めちゃいました!
いやね~・・・もう、じゃのめ先生の作品は、絶対にハピエンだとわかっているからこそ、読み進めることができましたね~!
大事なことを見極める大切さ!メッセージ性もあるストーリー
子供の頃から、武田は漫画家・・・長内は絵描きになることを夢見てた
その夢を一緒に叶えられると無邪気に信じていた中学生時代
けれど、それは長内の裏切りによって無残に散る
大人になって、子供の頃からの夢を叶えて漫画家になった武田
学生時代に長内に裏切られたことは忘れられないまま・・・今だ胸の奥にくすぶり続けている
なのに、その長内と小学校の同窓会で再会!!!
自分を裏切ったことなどなかったかのように話しかけてくる長内の残酷さが信じられない武田
武田は「なぜ、俺を裏切ったんだ・・・」と問う
長内は、「正直、覚えてない・・・同窓会で再会するまで忘れてた」と答える
長内の答えにショックの武田
「傷つけた方は忘れていても、傷つけられた方は忘れない」という言葉が重く心にのしかかる武田
自分だって、目をつぶれば、学生時代、長内と過ごした幸せな時間ばかりを思い出す
けれど、最後の最後に、裏切られた記憶がよみがえり、幸せだった分、悲しみが深いものになる
長内への憎しみが増すばかりの武田だが、長内が、あの事件の後、身体を売って生活をしていたと聞いて・・・
慣れた手つきで武田のブツを触って、「客に殴られるのにも慣れている」と平気でいう長内
そこには、中学生時代、武田が愛した美しい長内の面影はなくて・・・武田はただただ涙を流す
さらに、この後、武田に、長内に対して「傷つけた方は忘れていても、傷つけられた方は忘れない」と思った苦々しい言葉が、そのまま自分にはね返ってくる展開が待っている!!
ここも、うまいなーって思いましたね・・・
そう・・・傷つけた方はねー・・・相手を傷つけたことを忘れるんですよ・・・
そして、それはお互い様なんですよね・・・しみじみ・・・
長内が武田にした裏切りは、本当に許せないレベルの裏切りなのですが、でも、武田は長内に対して抱く「憎しみ」と「愛」・・・
その両方の感情の中で「愛」を選ぶんですね!
武田・・・見た目はダサ男なのに、かっこいい!!!
いや、武田は、このダサい風貌がいいんですよね!!!
最後は、ちゃんとハピエンとなっています
傷つけられて心の中に「憎しみ」がどんなに大きく広がっても、その中心にはちゃんと「愛」があると気づいた武田が本当によかった!
作者様のメッセージ性がちゃんとある内容になっていて、読み応えのある作品でした!
描き下ろしはあるの?
最後の入っていた「後日談」
これが、すごく面白くって!
エッチ大好きな長内が、武田のブツを咥えこんで騎乗位して「好き」って言うんですが
武田は「好きって!俺が!?それともピンコが!?」と、目の中にピンコマークが浮かべてる(笑)
くっついてからの武田は長内が自分のことをちゃんと好きでいてくれるのか?ハラハラしっぱなし~!
長内は、武田のことがすっごい好きだけど、好きなんて態度は一切見せず、いつだってクールな態度~!
この「後日談」が、描きおろしなのかと思っていたのですが、こちらは「OPERA vol.74」に掲載されていた作品みたいです
だから、「描き下ろし」は最後に乗っていた作者様からの一言だけでした!
目次を見ると、コミックの冒頭に入っているプロローグが、連載では最後に描かれた作品なんですね!
コミック化のために描いたのかな?ってくらい、このプロローグを最初に入れたことで、全体の構成に深みが出ています
海ホタルの感想まとめ
じゃのめ先生は、とにかく“熱い”作家さんなんですよねー
わたしなら、こんなひどい裏切りをされて許すなんて絶対にできない!と思うのですが
この作品を読んで、「もし、ものすごーーーーーく好きな人に裏切られたら?」と考えると・・・・
・・・・・・・
ゆ・・・ゆるすかもしれない・・・・
(なにしろ、経験がないので・・・たぶんなのですが・・・・)
あと、武田のキャラが良かったですね!
自分の痛みより、好きな人の痛みの方が「痛い」って感じる側の人間です!
あんな事件(←集団リンチの件ね!)を起こしたのに、お母さんともいい関係を築いているようで~!
きっとお母さんも人としての器が大きいのでしょう!
ほんと、過去の痛みがあったから今の幸せがあると思える武田を見習いたい!
ふたりが末永く幸せになれることを祈りたくなる作品です