こんにちは!海ホタルだよ!!
はらだ先生の「にいちゃん」を読んで、ノックアウトされたのでそのショーゲキが熱い内にレビューをあげちゃうよ!!
メイトさんで買ったんだけど、この裏帯を見て、買うか買わないかすっごく迷ったんだよね・・・
はらだ先生は大好きな作家さんなんだけど、力量があるがゆえ、痛みのある作品はまじで痛いんだよ・・・痛すぎて、読後、わたし、再起不能になることがあるもん・・・
んで、この裏帯・・・救いのないままENDか?そうじゃないのか?と、どっちだ~?と、グルグルグル~・・・
思い切って勇気を出して買ったら、すごすぎた!!これ、やばい!!BLであって、BLじゃない!?
表帯には「鬼才」の文字があるんだけど、ほんとうに、はらだ先生は「鬼才」だと思った!!
じゃ、、レビューいっちゃうよー!!
目次
作品詳細
かつて、近所のにいちゃんに手を出され、現場を母親に見られてしまったゆい。
それを境に、いつも遊び相手になってくれていたにいちゃんは姿を消し、親からは過保護なまでの監視を受けるようになってしまった。
あれから時が経ち、にいちゃんを忘れられないゆいは、ある日もあてもなく街を徘徊し、そして、ついに再会の日がくる――。
しかし、久しぶりに会ったにいちゃんは、昔のような優しいにいちゃんではなくなっていて……。引用:アマゾンより
登場人物
「にいちゃん」のここが面白い!!
出て来る登場人物、みんな、病んでいる?いや、そうじゃない?
私は、子供がいる身ですので、小さな子供に自分の欲を満たすためにいたずらをする大人は許せません。
けど、この作品の場合、近所の“にいちゃん”にいたずらされた“ゆい”は、“にいちゃん”のことが好きで好きでたまらないわけです
ちなみに、幼い時の“にいちゃん”のいたずらは、ゆいの母親にバレることで未遂に終わっています。
主人公のゆいは、“にいちゃん”のことが好きで好きで、幼いながらに性に対しての興味も持ち始める年齢で・・・
だから、それがなんなのかはわからないなりに小さ身体で受け入れようとしたのに、いざとなったらパニックになって逃げ出してしまったんです
母親にみつかり、大好きな“にいちゃん”はヘンタイ扱いを受ける
ゆいのそばからいなくなってしまった“にいちゃん”
ゆいは、その頃のことをとても後悔していて、高校生になった今でも、“にいちゃん”ともう一度再会することを強く望んでいる
そして、念願が叶い、再会した“にいちゃん”
昔のやさしかった近所の“にいちゃん”とは別人になっていて、まるで復讐をするかのようなプレイをゆいに強要してきます。
もう、このレベルの憎しみをぶつけるようなハードプレイになると、気持ちいいのか?痛いだけなのか?私には、全くわからない領域です?
けど、ゆいは、このプレイに耐えることで、“にいちゃん”が好きであることを証明したいと思っているんですね。
痛みのある描写が続きます
この出口のない愛憎ループの出口となるのが、ゆいのクラスメイトの舞子
舞子は、“にいちゃん”の過去である幼少時代を知っている人間だったのです。
そして、ゆいは、“にいちゃん”という人間を作り出した過去を“にいちゃん”に突きつけるんですね!
そして、自分以上ににいちゃんを愛している人間はいないから、自分を選んでほしい。と言うのです。
「ふつう」であることってどういうこと?考えさせられるテーマは深い
人を愛することに正解がないというのであれば・・・
じゃあ、私達が思っている「ふつう」って一体なんなのか?と考えさせられるBLです
幼いころの強烈な恋愛体験から「ふつう」がわからなくなったにいちゃん。でも、親や、世間から求められるのは「ふつう」であること。
ゆいが“にいちゃん”に過去を突きつけた時の“にいちゃん”のか細いセリフはほんとにかっこ悪い・・・
“にいちゃん”は、周りから自分の愛を否定され「ふつう」を押し付けられることで、心に宿った暗闇を抱えながら生きるつらさが鬱屈しちゃったんですよね・・・
子供のゆいが自分を受け入れてくれることが、自分の愛を肯定することだと思い込んじゃったんですよ・・・
なかなか痛みのある人を愛することの残酷さも併せ持つ作品だと思いました
そして、この作品は、そんなかっこ悪い“にいちゃん”を好きでいる、ゆいが図太くて、自分の愛に一途な子だったのが救いでしたね。
ラストは、ふたりにとってのハピエンです。
幸せそうなエチも最後の最後で投下されている!!
このラストエチに、リバ要素を入れる演出もニクイ!って思った!!
はらだ先生の描くエチもヌレヌレって感じですごいを通り越してやばいよー!!って思いました
まとめ
私個人としては、イチャコララブなハピエンがBLだ!と思っているので、そういう意味では、この作品はBLとしては受け入れがたい気がします。
それは同時に、BLって枠に収めるにはもったいない作品だと思う賛辞に通じます
自分を抑圧し「ふつう」であろうとするストレスや葛藤・・・
このストーリーの主人公たちと同じように「ふつう」って何?って考えたことがある人は、読めば、きっと、いろいろと考えさせられるものがあるはず!!
マンガだからこそ描けるテーマですね
ハードなプレイシーンは、私的にはちょっと苦手なんですけど、この痛みがあるからこそ、ふたりが寄り添う幸せなカフェのシーンが一層深くなった気がしますね
痛みがあるがゆえに、主人公たちが通じ合うシーンには感動が広がったし、そして、最後の最後に、ザラリとした後味の悪さの含みを残すところが、はらだ先生が「鬼才」と言われる所以ではないかと思いました。
いや・・・ほんと、はらだ先生は、すごい!!この作品は、最後まで、ハラハラさせられっぱなしだった!!気力がある時に楽しんでほしい1冊ですね!!
あ、ちなみに、舞子ちゃんは、私の中では、「このBLでがやばい!2018 “輝いた女の子 ザ・ベスト”」入賞決定です!!(←気が早い!!笑)