こんにちは!海ホタルです
この記事では、「囀る鳥は羽ばたかない」第32話の紹介をしています
前号から百目鬼が再登場し、さらに話が盛り上がってきます
では紹介記事にいってみたいと思います
目次
「囀る鳥は羽ばたかない 32話」より【ネタバレ有】
甘栗ちゃんに電話をする矢代「もう一仕事」とは?
七原たち手下を置き去りにして単独で行動し始める矢代
甘栗ちゃんたちを呼びつけますが、その車に乗っていたのは、甘栗ちゃんたちではなく百目鬼でした
矢代を車に押し込み、車を発進させる百目鬼
矢代はスマホで甘栗ちゃんに電話をします
甘栗ちゃんは「こっちだって脅されて途中で車降ろされたんだよ」と怒っている
「もう関わらねーぞ!」と怒鳴る甘栗ちゃんに「平田を引きずり降ろさねえとお前もこの先面倒だろ」と矢代は、もう一仕事甘栗ちゃんたちにしてもらうつもりのようです
出口晴海が好きになったのは、小野田良。三歳年下のストレート。気がつくと、好きになっていた。友達でいい。そう思っていたのに、どんどん好きになっていった。素直になれなくて、不安になって、ささいなことに幸せを感じて、言えない言葉がたくさんたまっていって──誰かを好きになる切なさと幸せがここに。
百目鬼を言葉で攻撃する矢代。それは不安のせい?
車の中で会話をする百目鬼と矢代
七原たちを置いてきたと答える矢代に「俺みたいにですか?」と聞く百目鬼
「お前とは全然意味合いが違う」と答える矢代
車から降りるように命令する矢代
「あなたから離れるつもりはありません」と答える百目鬼
この百目鬼の「あなた」という言い方が、矢代の気に触ったようで「あなた・・・・あなた あなた あなた・・・・・お前となんかやらなきゃよかったよ」と言う
百目鬼は「同じ思いじゃなくてもいいから、側に置いて欲しい」と引きません
「だいたい、お前こうなるってわかっててヤッたんだろ」と答える矢代
ここから矢代は、百目鬼を怒らせるような言葉をどんどん吐いていく
「お前のしつこいセックスが」「夢見てんじゃねーよ」「オーラルなんて気持ち悪い」
そして、心の中では「こいつを受け入れたら、俺は俺という人間を手放さなきゃなない。それがどういうことか、こいつには一生分からない」と思っているのです
新しい職場に初めて出社した日、嶋はエレベーターで二日酔いの男と一緒になる。それが、新しい上司・外川との出会いだった。無遠慮で図々しいように見えて、気遣いを忘れない外川に惹かれる嶋だが、傷ついた過去の経験から、一歩を踏み出せずにいる。一方、忘れることのできない記憶を抱えながらも外川は傷つくことを恐れず、嶋を思う心を隠さない。好きだけど、素直にはなれない――……。
矢代の心には冷たい雨が降っている?心情表現に注目!
車を止めて降りる百目鬼
矢代は車を降りる百目鬼のことをひと目も見ずに車の窓から外を見ている
外には傘をさしながら一緒に歩く母子の姿があって
母親に手を引かれ歩く幼い子どもが描かれています
その心温まる光景から一枚壁を隔てた車の中では矢代がひとり孤独にいます
漫画的表現として車の中が黒く塗りつばされて、窓の外は明るく描かれています
それは、雨が降っているのは矢代がいる車の中であるかのような表現にみえます
ここは、矢代の心を描いているのかもしれません。見ていて心が痛いシーンです
百目鬼は矢代の元へと帰ってくる
しかし・・・出ていったはずの百目鬼が水と傘を買って戻ってくる
「薬飲みますよね」とペットボトルを差し出す百目鬼
ペットボトルを投げつける矢代
「どうぞじゃねえよ。なんだんだよ。バカなのか?この流れで買いにいくか?」と呆れているかのような物言いをします
「側を離れる気はないと言いました」と答える百目鬼
矢代は百目鬼の顔を足で蹴りつけます
身を乗り出し「あの時 あなたはそう言ってオレにキスをした」と矢代に近づく百目鬼
百目鬼の手が矢代のほうに伸びてきて、矢代は一瞬緊張します
百目鬼の手は、矢代を通り過ぎシートベルトへと伸びていき、そのまま矢代にシートベルトをしめる
「すみません」と謝る百目鬼
「何がだよ」と答える矢代
「オレからはもう何もしませんので安心してください。多分、簡単にあなたを抑えられるので」と車を発進させます
その頃、影山病院では・・・
場面は変わり、影山先生の病院です
矢代に置いていかれた七原がむっちゃ怒っています
さっき銃声があったのでサツがくるからと、七原たちも影山先生の病院から出ていくと言う
矢代の車の運転をしているのは誰だ?という話になり、甘栗ちゃんたちだろ。という話になる
その会話の流れから「百目鬼も捨てられちゃったしね」となるのですが、そこで影山先生が「矢代もふられたからって、捨てることないよな」と言う
その影山先生の言葉に「え?」と間抜けな返事をする七原たち
そして、甘栗ちゃんたちの「もう一仕事とは」?
場面は変わり、平田たちのシーンへと移ります
銀行の地下駐車場ですかね?
たぶん脅されているっぽい銀行員が「貸金庫にあったものすべてお持ちしました」とアタッシュケースをふたつ平田に渡しています
銀行員が立ち去ろうとすると、背後から、「ゴッ」という音がする
銀行員がそろっと背後を確認すると、さっきいた平田の部下が誰かに殴られている
関わり合いになりたくないとばかり逃げる銀行員
平田の部下を殴ったのは甘栗ちゃん
甘栗ちゃんは平田に銃を向け「どおも ご機嫌いかがです?」とあいさつそする
平田の眉間にシワをよせた怪訝な表情が最後のコマとなっています
海ホタルの感想
個人的になんですけど・・・・
ほんと個人的見解なので、心広く読んでほしいと思うのですが・・・・
矢代が「あなた・・・あなた、あなた、あなた」と百目鬼に「あなた呼び」されたことに強く反発したシーンが印象的だったんですね
先日、わたくし、この「あなた呼び」についてのWEBエッセイを読んだんですね
そのエッセイでは、年上の恋人に「あなたはどう思う?」「あなたはいい人ね」と「あなた呼び」をされるたびに、対等ではなく恋人の教え子のような気持ちになったというエッセイだったんですが
読んだ後「あなた」って三文字の奥深さを考えさられたんですよ
よくよく考えれば、目下の者が目上の者を「あなた呼び」することってあまりないんですよね
じゃあ、百目鬼がいつから矢代のことを「あなた」呼びしているのか確認したところ、コミック5巻のエロ突入前のシーンで、百目鬼が、馬乗りになった矢代に顔を隠しながら「あなたという人にどうしようもなく惹かれてしまいました」と告白するシーンがありました
そして、注目したいのは、この数ページ後に、動揺した矢代が服のままシャワーを浴びるシーンで、百目鬼が何を言ったのか矢代が思い出そうとするシーンがあります
この後、百目鬼のセリフがない状態で、矢代が、百目鬼の吐いたなにかの言葉に衝撃をうけるシーンが入っています
ここ・・・なんのセリフを思い出して、衝撃を受けたのか?なにかキーワード的なセリフを思い出しての衝撃だと思っていて、それがなんなのか漠然と受け止めていたんですけど
今話を読むと、たぶん「あなたという人にどうしようもなく惹かれてしまいました」って言葉に衝撃を受けていたのではないかと思いました
そう考えると、今話で百目鬼が吐いた「あなた」という言葉に過剰反応を起こしたのも納得ができますよね
そして・・・この記事を書いていて・・・ふと、宇多田ヒカルの「あなた」の歌詞が頭に浮かびました
そういえば、あの歌詞の中でも「燃え盛る業火の谷間が待っていようとも 守りたいのはあなた」という印象的のフレーズがありますね
相手を思う強い気持ちを歌っている歌なんですけど・・・まるで、百目鬼が矢代を思う気持ちみたいな歌詞です
あと、雨の降る中、母子が傘を持って歩く姿と、矢代のいる世界の対比表現も面白かったと思います
ページ数・26Pの中に矢代の複雑な胸中が表現されていたと思います
とても読みごたえのある回でした
海ホタルおすすめ「囀る鳥は羽ばたかない」試し読み
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