NTRは苦手なわたし・・・
それでも、「これはいい！」と思った作品が
「ワンダー・ボーダー」
これは、本当によかった！
好きな人に対してだけ発せられる狡さや罪悪感などがぐちゃぐちゃに入り混じった作品で、読んでいる最中、頭の中ではモラルという正義の旗が振られていたが、読後、「降伏」という旗が掲げられた
その作品の中で、振られ役で登場した夏朗さん
夏朗さん！！すごくいい人なんですよ！
夏朗さんがいい人だからこそ、「ワンダー・ボーダー」の受けを100％応援できなかったんですが・・・同時に、この夏朗さんを傷つけて元カレを選ぶなら、この受けは、絶対に幸せにならなきゃダメだ！と思えた
夏朗さんの幸せを祈る手紙が作者様の元にたくさん届いたとあるけど・・・
もう・・・そりゃそうなるわ～！
夏朗さんみたいに、自分の幸せ以上に好きな人の幸せを考えられる人って、本当に少ないもん！
夏朗さんには絶対に幸せになってほしい！
そんなわけで、夏朗さんが主人公となったこちらの作品が出ましたが!
この受け・・・
夏朗さんにふさわしいですかね？？？（笑）
いや、自分のこと以上に好きな人のことを大事に思える夏朗さんの相手としては、こういう癖のある相手が登場するのは仕方ないことって気もしますが・・・
いろいろ複雑・・・
前置きが長くなりましたが！
紹介に行ってみたいと思います
作品紹介
5年間の恋が、一瞬で終わった。
断ち切れない想いを胸に抱えたまま、思い出の公園で
ひとりぼんやりとしていた夏朗に声をかけてきたのは、別れたばかりの恋人にどこか似ている男・梅雨彦だった。かわいそうなのを放っておけないと半ば強引に連れ帰られ多くの言葉を交わさず、元彼を重ねて自分を抱けばいい、と
梅雨彦に流される形で一時の快楽に溺れてしまう。自分でも知らなかった一面を暴かれるようなセックスの後、再会の約束をして無邪気に微笑む梅雨彦に夏朗の中では何かが確実に変化していたが、
彼はやっかいな性癖を抱えていて──。
「オーバー・スコール」のここが面白い
いい人の夏朗！今度こそ幸せになれる？出会った相手は、少々、くせのある相手で・・・
5年もつきあってきた彼氏に振られた夏朗
傷心をかかえて公園のベンチに座っている夏朗に声をかけてきたのが梅雨彦
真面目な夏朗は、ワンナイトラブなんてしないタチだけど、梅雨彦にグイグイ迫られて、初めて体から始まる関係に足を踏み入れてしまうのです
体から始まっても、「恋」はスタートするんだ・・・と新しい扉を開けた夏朗ですが・・・
この梅雨彦・・・
かわいそうな人を見るとコーフンするという性癖を持ったとんでもない相手だったのです！
かわいそうな人を見ると、慰めたくなってすぐに体の関係をもってしまう梅雨彦
ベンチに座っていた夏朗のことも「かわいそうな人だ・・・慰めてあげたい」と声をかけたんですね
そんな梅雨彦には、夏朗以外にも、体を重ねる相手がいる
それが死んだ姉の婚約者だった豪
姉の死によってボロボロになった豪が、梅雨彦の性癖を目覚めさせ、それ以降、豪が振られたり辛い思いをする度に関係を持っている
でも・・・夏朗は、梅雨彦に惹かれ始めているからこそ、別の誰かと、梅雨彦を共有することはできない
梅雨彦の性癖を知って、最初は、自分の手に負えない・・・と距離を置こうとする夏朗ですが
梅雨彦本人は自分の性癖を「おかしい」とわかっていなくって・・・
にこにこと夏朗の前に再び現れるんですね
こうなると・・・人のいい夏朗は、梅雨彦のことが放っておけなくなる
詳しく話を聞くと、いつも、相手がかわいそうって思うと、即ベッド！だから、梅雨彦は相手を満たしてあげることでしか他人との関係を築けない
夏朗は、ひとりの人間と向き合うことで生まれる「責任」を梅雨彦に教えてあげるのです
梅雨らしいじめっとした空気感や、傘を貸し借りすることで何度も会う約束をするふたり
夏朗と出会って、恋人との付き合い方を教わって変わっていく梅雨彦の心の機微
やっていることは相当不誠実なのに、エビフライを食べる梅雨彦のかわいい表情
最後は、晴れ間の中にいるふたり・・・
ラストのクライマックスエチは、気持ちが通じ合うすばらしいものでした！
前作で傷ついた夏朗の幸せな笑顔が見れます
梅雨彦も、おかしな性癖を持ってるけど、無邪気ですごくかわいい子なんだよね・・・
当て馬役の豪が気になる！
ピシッとした好青年風だったのに、好きな人が死んで、ボロボロになって弟の梅雨彦に手を出した豪
この豪が、けっこう気になりました
夏朗が持ってきた手土産を足で踏みつぶすというクズっぷりを発揮していますが
けっこう梅雨彦に執着しているんですよね
梅雨彦のことをちゃんと好きだったのかな？
夏朗も「好きじゃなきゃ、あんなに痕を残さない」と言っていますが・・・
豪の気持ちが曖昧で、そこが気になりましたね！
豪のスピンオフがあったらうれしいですよね！
この人にも幸せになってほしいな・・・
海ホタルの感想まとめ
個人的には、最後のハピエンを読んでも、こういう性癖の子は、また、ほかにかわいそうな誰かが現れたら、そっちに心が奪われるんじゃないの？って不安が残ってしまいました
ちょっと、難しいですよね・・・
夏朗さんには絶対に幸せになってほしい！って気持ちが強い分、賛成できない相手だった
でも、この上なくやさしい夏朗さんだからこそ、梅雨彦は変われたんだと思うし・・・
そう思うと、救済BLと言えないこともないような・・・
読後、複雑な感想が湧きあがる作品でした
あと・・・「ワンダー・ボーダー」が未読でも大丈夫な作品なのですが、前作の夏朗さんのことを知って読むのと、そうじゃないとでは、読後感が変わってくる作品だと思います
できることなら、「ワンダー・ボーダー」と合わせ読みをおすすめしたいです
表紙も本当に美しい作品で！
この表紙を見ているだけでうっとりしますよね！
試し読みはこちらのボタンリンクからどうぞ！
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