優しいだけじゃないこの手がほしい「ひつじの鍵」一穂ミチ

hitujinokagi

大好きな一穂先生の「ひつじの鍵」のレビューです。
あらすじを読んだら、コンシェルジュって言葉があって、自分とは別世界のお話で共感しづらいかな?って思っていましたが、むっちゃ、面白かったです。
いいねー。こういうちょっと心に寂しさを持つ癒し系10代の男の子が大人の男性に惹かれていっちゃうってパターン。
その大人の男性がこれまた魅力的でさー!!むふふ・・・
では、レビューに行ってみよう!!

作品詳細

LOOK!
ひつじの鍵

出版社:新書館
レーベル:ディアプラス文庫
発売日:2016/8/10
イラスト:山田2丁目

金持ち学校に通う高校生の羊は、父親のカード会社のコンシェルジュ一色と知り合う。
どんな難題でも叶えてみせる彼に夢中になる羊だが……?

引用:新書館HPより

「攻」一色千喜
コンシェルジュサービス・31歳ゲイ
「受」登島羊
高校3年生

このBL小説のここが面白い!!

受けはのんびりした羊ちゃん。羊なりの暴走ぶりが楽しめます。

誰もが羨むお金持ち。ちょっとぼやんとした義父は仕事でたまたま大成功をしてしまい世間一般でいう「にわかセレブ」になってしまった羊
でも、羊は、使い切れないようなお金があるタワマンでの暮らしよりも、亡くなった母親と慎ましやかに暮らしていた素朴で温かい時間が懐かしくてたまらない。

でも、この子、すごくやさしくていい子なんだよね。
自分が本当にほしいものを口にすることで、やさしい義父が傷つくことを知っているし、親友に話したとしても、きっと親友を困らせることもわかってる。
ほしいものを諦めて、その思いを誰にも吐き出さず静かに受け入れているの。

そんな彼が、営業モードではスキのないスマートな仕事ぶりを見せ、プライベートの素の姿はちょっと乱暴な言葉使いが魅力の一式さんにキャラメル一つで恋に落ちてしまう
一式さんにキャラメルを口に放り込まれた瞬間の描写が、ほんとに見事で、ああ、こういう風に他人が自分の中に入り込んでくることってあるよなーって思ってしまった。

羊は、営業上の澄ました顔じゃなく、素の一式さんに会いたくて、一生懸命つきまとっちゃうんだよ。
そして、羊が気を許して口から放った寂しさを受け止めてくれる一式のことをちょっと好きから、ものすごく好きになっていっちゃうの
幼いときから、流されるがごとく強い感情を持たずに放牧された羊のごとくまったり生きていたい羊が、一式の気を引きたくていろんなことをやらかすのが、読んでてすごく面白いんです。

攻めは「安心と信頼と愛と勇気のコンシェルジュ」

カード会社のコンシェルジュなんてものとは一生縁がない超超庶民の私ですが、コンシュルジュくらいは知っています。ほら・・・あれだ・・・、礼儀正しくて言葉使いも完璧で仕事ぶりもスマートで頭が良くて上品な佇まいじゃないとできない仕事だよね。
そんな大変な仕事を好きでやっている一式さんの素の顔はちょっとイジワルで、言葉使いが少々乱暴なところが魅力の大人の男性で

仕事モードで見せる顔と、普段の素の姿のギャップが、すごくいいんですよ!!

その普段の素の姿を見せてくれるのは自分だけとなったら、そりゃ、恋に落ちないわけないじゃんねー!!
年上らしい余裕を見せながらも、チラチラ、羊の同級生に嫉妬する流れもいいと思います。
大人ならではの包容力ある攻めがお好きな方はきっと大好きだと思う!

「愛と肉と性と欲のコンシェルジュ」にギアチェンジする攻めにキュン

大人ならではの包容力と、フランクで砕けた言葉使いが魅力の一式さん。けれど、立派な大人なのに、高校生の羊をバリバリ食べちゃっています。しかも、羊は「大人になるまで待つ」的なこと言ったのに、「待てないわ」だって!!むふふ。

ふたりの初めてを美味しく頂かせていただきました。

余裕のある大人の攻めと、それに負けじと冗談を言う余裕を見せるのどんどん流されていっちゃう流れは、一穂先生ならではのフランクさを挟みながらも初々しさも出てて、読み応えバッチリだよ!!

「好き」の確認なしで「彼氏認定」!!思わず憧れちゃう!!

なんつーか、片方の好きがダダ漏れ状態なんですよ!!

そのダダ漏れの好きを、勘違いと思わずに受け止めてくれ、「お前、俺のこと好きだろ」って堂々と確認されちゃう時の恥ずかしさとときめきってわかりますか?
もう!!そこに、キューンってなっちゃいました!!

そういう流れなので、くっつくまでの、ジレジレ感は少ないんですけど、「好き」という気持ち確認前に「彼氏認定」されてお友達に紹介できる流れには憧れがありますねー。
ええなー・・・わたしも人生で一度くらいそんなときめき味わいたかったわ・・・

最後にまとめ

大好きな母親が亡くなったけれど、義父はすごくいい人で、学校でもそれなりに楽しめている誰もが羨むセレブな高校生の主人公。でも、彼がほしいのは、母親と暮らした本来の自分の身の丈にあった暮らしていた時間なんだよね。

物語の中で、みんながほしがる99.9%を持っているのに、自分が欲しがるのはいつだって残りの0.1%の方だって羊が思う下りがあるんだよね。

それ、ほんと、わかるなーって思いました。物事の価値って、人によってほんと全然違うんだよね。周りから「なんでそんなものほしいの?」っていうものがほしくてほしくて仕方ないときって、大抵、その0.1%が、絶対に手に入らない状況の時なんだよね。

そうなると、その0.1%の重みが変わってくるんだよね。99.9%より、0.1%のほうが重くなっちゃっう。主人公の羊が、その0.1%の重みをわかってくれる頼りになる男性と出会えたことが本当良かったなって思える作品だったと思います。

主人公たちの夫婦漫才のような会話のノリは「イエスかノーか半分か」の主人公たちに通じるものがありました。主人公たちの立ちポジが違うから、別の意味で楽しめます。羊の皮を被ったオオカミに、ほやんとしながらも実はいろいろ悩んでいる羊ちゃんがバリバリ食べられちゃうシーンも必見だよー!!

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2 件のコメント

  • 絵が好み。。これば文庫なんですね。好きな小説はコミックスでも読みたいな~

    • sayurinさんへ
      これは、山田2丁目先生がイラストを手がけています(^o^)
      たしかに、これ読んだ時、コミカライズしたらうれしいのになーって思ったのを覚えています。
      きっと、キュンキュンな展開になると思うんだけどね!!

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